研究課題
近年の画像デバイスの発達で、多くの組織画像がデータとして残される様になった。これらの画像は一般に複雑であり、一見して数学的な構造を持たないようにも見える。これらの画像の分析は、専門家の観察による作業に依存しているため、作業量には限界がある上、技術者の技量により判断が異なる場合もありうる。計算機などを用いた客観的な指標で組織画像を定量化する手法の開発は必須の課題であるが、これまでの画像解析法ではあまり有効な結果は得られていない。ホモロジーとは数学の一部門であるが、接触を定量化する数学的概念ともみなすこともできる。組織とはそもそも『組織構成要素間の接触により構成される』と考えれば、組織画像を解析する手段として有効であることは予想がつくであろう。本研究期間中にいろいろな組織に対して応用を行ってきた。例えば、『癌病変部抽出技術』『胸部画像における肺気腫の定量評価』『焼き入れ焼きなましによる金属組織の変化の定量化』『材料の破断面組織の解析』『膨潤現象(高分子物質を有機溶媒や水中に浸したりする場合に膨張する現象)』『ミクログリアの活性化の定量化(脳内の白血球に相当する細胞、活性化する場所に病変部がある)』などに対して応用してきた。顕著な結果としては『大腸がん組織の解析』と、『破断の予測(パリス則)との合致率が非常に高いことが判明した』事が挙げられる。これらは国際学会で論文賞などを受賞しており国内外の評価が高い。特にがん組織の解析は、国際特許として申請されたうえ、実用化に向けて研究が進んでいる(大学発新産業創出プログラムT病理診断に現れる組織画像解析方法の事業化」として採択)。本科研費により国際的にもこの研究は認知された。今後、海外の研究者とも協力してさらに発展させていきたい。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (24件) (うち国際共著 1件、 査読あり 22件、 オープンアクセス 19件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 7件) 図書 (1件)
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