研究課題
1. 担子菌-植物共生メカニズムの解析コムラサキシメジによる2-azahypoxanthine(AHX)産生誘導因子を特定すべく、ベントグラスの根の凍結乾燥物をn-ヘキサン、酢酸エチル、メタノールで順次抽出を行い、コムラサキシメジによるAHX産生に及ぼす各可溶部の影響を検討した。その結果、メタノール可溶部で有意にAHX産生が促進されることが判明した。そこでメタノール可溶部をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで11画分に分画し、各画分の影響を検討した結果、低極性溶媒溶出部にAHX産生促進活性が認められた。化合物の同定には至らなかったが、コムラサキシメジはシバの根と接し、目的化合物を吸収することで、AHXを産生していることが推定された。2. 劣悪環境下における食糧生産技術構築劣悪環境下でのフェアリー化合物(FCs)の成長調節作用を評価するために、イネ葉身基部を用いた「ラミナジョイントテスト」を行った。その結果、30℃と40℃条件下において、AHX 1 mM区で対照区に比べ伸長が促進された。また30℃と20℃条件下では、AHX 1 mM+IAA 50 µM区で対照区より有意に増加した。また30℃においてAOH 1mM区で対照区より有意に増加した。以上のことから、劣悪な温度条件下におけるオーキシンの作用にFCsが関与するが、その作用には異なる温度条件下での作用機作の違い等が存在する可能性が明らかとなった。さらに、FCs処理によるイネの高温ストレスに対する収量及び米穀品質改善効果について、高温登熟障害が生じやすい品種「彩のかがやき」(埼玉県農業技術研究センターより譲渡)を用いて、水田試験により調査した。未熟米や白化米の減少といった品質改善に対する効果は観察されなかったものの、FCsの育苗時のみの処理により植物体バイオマス量および収量がそれぞれ最大15~25%程度増加。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 19 ページ: 39087
10.1038/srep39087