研究課題/領域番号 |
26310308
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 洋 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60346038)
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研究分担者 |
横山 壽 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00372037)
杉本 亮 福井県立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00533316)
清水 夏樹 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40442793)
吉岡 崇仁 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50202396)
笠井 亮秀 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (80263127)
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研究期間 (年度) |
2014-07-18 – 2017-03-31
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キーワード | 世界農業遺産 / クヌギ林 / ため池群 / 栄養塩 / 生物生産力 / 石倉漁 / 食物網 / 生物多様性 |
研究実績の概要 |
FAO世界農業遺産(GIAHS)に認定された国東半島・宇佐地域のクヌギ林を含む森林や農地が、河川・沿岸域の生物生産においてどのような役割を果たしているかを調べるため、域内に位置し森林率が高く(77%)農地率の低い(18%)桂川と相対的に逆の関係にある伊呂波川(森林率64%、農地率29%)の比較研究を行った。 2016年11月に非灌漑期における流域の栄養塩調査を行った。桂川を含む国東半島全域において、溶存無機態窒素濃度(DIN)は源流・上流域で高く下流ほど減少、溶存無機態リン濃度(DIP)は上流で低く下流で増加する傾向が認められた。対照区の伊呂波川のDINは桂川とは異なり、DIPとともに中・下流において増加した。このような傾向は2015年7月(灌漑期)の調査結果とよく似ていたが、両水域ともDINは非灌漑期、DIPは灌漑期に高かった。また、桂川を含む国東半島全域の源流域で、季節にかかわらず80μMを越える高いDINが認められた。渓流水中のNO3-に含まれる大気起源窒素の割合は5%未満であり、森林土壌に起源を持つ窒素が河川へ供給されていることが推察された。 本地域で行われているウナギ石倉漁に着目して、地域における生態学的及び社会的役割を検討した。石倉に棲むウナギの胃内容物の約半分が石倉に生息する餌生物で構成されることから、石倉はウナギとその餌生物に生息場を提供する生態学的意義を持つことがわかった。また、石倉内のウナギの多くは小型若齢個体であるが、漁師は大型ウナギのみを採捕することから、適正な漁獲管理により本漁法を持続可能ものにすることができると推察された。石倉漁は地域住民にとって重要な景観と生物多様性を育んできた伝統的な漁法であり、国東半島・宇佐地域GIAHSの基盤を形成する農林水産循環の主要な要素として、ニホンウナギ資源と石倉漁を適正に保全し活用することが重要と考えられた。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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