研究課題
基盤研究(B)
豊かな森林に恵まれた国東半島を流域とする桂川では、森林土壌由来の栄養塩が河川に供給され、それらが食物網を通して河口域の生物多様性やスズキ稚魚、ニホンウナギの生産に貢献する可能性が示された。森林には、水圏生態系に有害な微細粒子(<30μm)の河川への供給を抑制する効果も認められた。世界農業遺産に認定された国東半島・宇佐地域では、河川下流域でニホンウナギを漁獲するための石倉漁が行われている。ウナギ石倉は河口域に加入する小型ウナギに好適な生息場を提供し、餌料生物を生産する機能をもつとともに、世界農業遺産において地域の文化的景観を保全し人と自然をつなぐ重要な社会的役割を有することがわかった。
水圏生態学