研究課題
(1)昆虫に含まれる免疫賦活化物質の単離同定:昆虫由来免疫賦活化物質の魚類での作用機序の分子機構を明らかにすることを目的として、免疫賦活化物質のメダカへの経口投与により腸管および脾臓での発現量が増加或いは減少する遺伝子の検索をDNAマイクロアレーにより行った。イエバエサナギから免疫賦活化多糖の分析を試みたが、多糖の存在は確認できたものの、含有量が少なく、最終的な構成糖の組成までは明らかとならなかった。(2)昆虫の摂食誘引および成長促進効果の作用機序:イエバエサナギを10%および25%添加した飼料および対照としてイエバエサナギを含まない飼料を作製し、それらをマダイ稚魚に給餌し成長を調べたところ、サナギ10%添加飼料を給餌したマダイの増重量が対照群に比較して有意に高かったのに対し、25%添加した群では、対照群に比較して、明らかに成長していなかった。成長を低減する物質の候補として、昆虫中に含有される免疫抑制物質が考えられたため、同物質の単離同定を試みた。現段階では、分子量110前後の脂溶性低分子物質であることが明らかとなっている。(3)機能性を向上させる昆虫生産方法の確立と実証:魚のストレス度合いを反映する血中8OH-dG測定に必要な、モノクローナル抗体を作製した。
2: おおむね順調に進展している
計画通り研究は順調に進展している。
今後も、当初の計画に従い、研究を推進する。
イエバエサナギからの免疫賦活化多糖が予想よりも含量が少なく、本年度精製できなかったのが主な理由である。
本年度も昆虫由来機能性物質の単離精製を行う予定であるので、予定通り計画が遂行できる。
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