研究課題
フードサプライチェーンのシナリオ分析に取り組み、肥料製造シナリオ、土地利用変化シナリオ、輸出入シナリオ等が環境に与える影響の検討を継続して実施した。肥料製造に関しては、オイルパーム生産を対象とし、最近の研究動向に関する追加のサーベイを実施した上で、シナリオの空間的非整合性がもたらす不確実性(ヨーロッパのデータを代用する場合等が相当)、ならびにシナリオの時間的非整合性がもたらす不確実性(30年前の製造技術を想定する場合等が相当)を推計した。土地利用変化シナリオについては、ゴム農園から転換した場合と2次林から転換した場合の2種類のオイルパームプランテーションを比較し、シナリオ(土地利用の前歴)が温室効果ガス排出量に与える影響を検討した。その中で、インベントリデータのモデリング上の問題点も示した。輸出入シナリオに関しては、アジア地域における農産物を仮想的に日本に輸入した場合の環境影響を推計した。コメ、パームオイル等を事例として取り上げた。食品の生産と流通に関する上記の検討を踏まえ、水稲作(ベトナム、インドネシア等)、オイルパーム生産(インドネシア、マレーシア)、肥料製造(インドネシア、ベトナム)等のインベントリデータにおいて、シナリオ整合性を改善した。影響評価に関しては、LCAにおける生物多様性の評価手法に焦点を当てた。地域(WWFのエコリージョン)と土地利用類型を指定することにより生物多様性への影響を評価する方法により得られた指標と実際の圃場における指標(種多様性)との相関係数を求め、前者の方法の問題点を示した。圃場レベルでの生物多様性評価手法の検討を継続し、音響的非類似性によりオイルパームプランテーションと周辺の森林がどの程度識別されるかを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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The International Journal of Life Cycle Assessment
巻: Online First ページ: Online First
10.1007/s11367-019-01607-9
Conference Proceedings, The 11th International Conference on Life Cycle Assessment of Food (LCA Food 2018)
巻: - ページ: 84-86