研究課題/領域番号 |
26330023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 広志 東京大学, 情報理工学系研究科, 准教授 (20378962)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多品種フロー / 施設配置問題 / ネットワークデザイン / 劣モジュラ最適化 / 離散凸解析 |
研究実績の概要 |
V. Chepoi教授らと弱モジュラグラフ(weakly modular graph)と呼ばれるグラフクラスと負曲率距離空間の関係について共同研究を行った.これによって,離散凸性が定義されうるグラフの構造に対して大幅な理解の進展があった.この成果を115ページにわたる論文"Weakly modular graphs and nonpositive curvature"にまとめた. 定義域を広げることによって離散凸性を持たせることができるような関数のクラスであるL拡張可能関数の理論の着想を得た.これによっていくつかの性質の良いNP困難な問題がこの枠組みで捉えられることが明らかになった.さらに近接スケーリング法の開発によって,懸案であった最小費用多品種フローに対する簡明な多項式時間アルゴリズムを構築することができた.これを論文 "L-extendable functions and a proximity scaling algorithm for minimum cost multiflow problem"にまとめた. 本研究の着想のもととなった施設配置問題の離散凸性と多項式時間可解性を議論した論文"Discrete convexity and polynomial solvability in minimum 0-extension problems"がMathematical Programming 誌にアクセプトされた. これまでの多品種フローや施設配置問題の研究が認められ,2014年度の日本オペレーションズリサーチ学会研究賞を受賞した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の一つの目標であった最小費用多品種フローに対する組合せ的な多項式時間アルゴリズムを構築することに成功したことや,これまでの研究論文も順調に採択されていること,などから,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
私が"Discrete convexity and .."で導入した新しい離散凸関数とこれまで知られていた離散凸関数との関連や具体的な問題にどのように現れるか,を議論する論文を完成される.点容量型多品種フローのアルゴリズムの構築の着想を得たので,これに基づき新しいアルゴリズムを開発する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外出張が出来なくなってしまったため.
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次年度使用額の使用計画 |
ドイツで行われるHIM workshopへの渡航費用にあてる.
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