従来ファイナンス研究では用いられなかった「圏論」という抽象数学のフレームワークに沿って、金融リスク尺度を見直して、確率的ジャンプを含む信用リスク事象等のモデル化、さらには一般的でリスク尺度以外にも多くの応用可能性を含んだ、一般性が極めて高い「圏Prob」という全ての確率空間を対象にもつ圏の導入に成功した。 また、信用リスク、特に企業の倒産集中リスクの評価への応用を視野に、倒産等の発生強度の自己励起性・相互励起性を推定する新たな手法、および事業利益の確率変動モデルに基づく倒産確率の計算手法について、倒産履歴データベース等に基づく実証分析も通じて応用可能性を確認した。
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