| 研究課題/領域番号 |
26330030
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
柿沢 佳秀 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30281778)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 密度推定 / 境界バイアス / ノンパラメトリック |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、統計科学分野のカテゴリーの１つである『ノンパラメトリックな関数推定』に対して『非対称カーネル法』を整備することに焦点をおき、以下の成果を得た。
（１）非対称カーネル密度推定量を整備するため、まず次の３点を文献調査、及び議論した。(i) 正規ベースのオリジナルなBSから対称分布・歪分布ベースのBS化への拡張 (ii) 中心ケースから非心ケースへの拡張 (iii) BS分布と対数正規分布を繋ぐような拡張。その後、これらのBS分布論としての多義的な拡張を「ノンパラメトリック推論」に応用することで、『一般化BSカーネル密度推定量』というクラスを提案し、その漸近性能（漸近バイアス・分散・MSE・MISE公式とMIAEのバウンド、各点での強一致性・漸近正規性）を明らかにした。また、得られた理論を検証する数値実験を実施した。
（２）逆ガンマカーネル密度推定量を次に再考察した。さらに、この後継として、一般化ガンマカーネル密度推定量の再考察、及び一般化逆ガンマカーネル密度推定量にも着手し、３月現在、付随する不等式など数学的な道具の証明に成功した。
（３）（１）の１次元の研究の一部に対して、それらの多次元化も議論した。具体的には、(i) 多変量BSカーネル密度推定量の提案とその漸近性能の解明 (ii) 多変量一般化BSカーネル密度推定量の提案とその漸近性能の解明 (iii) 条件付き密度推定への応用。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
（１）「非対称カーネル推定量」は、多義的な拡張が着実に進んでおり、特に、「新しい密度推定量」を以下のような視点から議論することに成功している。(i) 正規ベースのBSから対称分布・歪分布ベースのBS化への拡張 (ii) 中心ケースから非心ケースへの拡張 (iii) BS分布と対数正規分布を繋ぐような拡張。
（２）ガンマカーネル密度推定量の対抗馬として逆ガンマカーネル密度推定量を再考察し、MISE公式の厳密証明に成功したことで、それらの成果を現在、専門雑誌に投稿中である。また、一般化ガンマカーネル密度推定量の再考察、及び一般化逆ガンマカーネル密度推定量の研究にも着手した（３月現在、付随する不等式など数学的な道具の証明に成功したので、２８年度中期までに結果をまとめ、専門雑誌へ投稿できる見込みがある)。
（３）（１）の研究は多次元化にも成功しているため、「非対称カーネル法」は着実に進化していると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
（１）非対称カーネル法のいっそうの普及を目指し、かつ、提案された個別的な検討に留まらず、一般的な推定量の定式化をして、その枠組みの中で一般論を構築していく。
（２）諸結果について実データ解析に耐えうる理論整備とその実装も目指して膨大な数値実験を実施することで、数値的な傾向から示唆された見地を理論研究へフィードバックさせる。
（３）学会・研究集会・ワークショップに参加・発表して関連領域の最先端の研究動向を掴み、他研究者と意見交換をし、他研究者からの意見を求めることを経て、研究の質を高めていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
２７年度中に「今年度の２８年６月に香港で開催される国際学会」への講演招待があったことから、香港への旅費分に相当する額を繰り越した。
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| 次年度使用額の使用計画 |
繰越金以外からの２８年度の使用について
（１）国内の学会・研究集会・ワークショップへの参加旅費・研究成果報告旅費、（２）関連図書の購入、（３）ＰＣ・ソフトウェアの購入
を予定しており、当初の計画からの変更はない。
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