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2015 年度 実施状況報告書

行動計量分析における各種推定量の漸近的性質

研究課題

研究課題/領域番号 26330031
研究機関小樽商科大学

研究代表者

小笠原 春彦  小樽商科大学, 商学部, 特任教授 (70271731)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード漸近的性質
研究実績の概要

1. 漸近平均2乗誤差を最小化するバイアス調整
バイアス調整した推定量の漸近平均2乗誤差の最小化はその1/n2の次数の高次漸近分散の項と1/nの次数の漸近バイアスの2乗の和を最小化することに帰着する。その和はバイアス調整に用いた定数の2次式になり、和を最小化する最適な定数は容易に得られた。一般にこの最小化する定数は未知の母集団値に依存するが、Ogasawara (2013)はこれに依存しない固定値の例としてポアソン分布における事象間隔パラメータと変動係数が既知の正規分布のパラメータをあげている。二項分布のロジットの例では最小化する係数は母集団割合に依存するが、係数の実用的な下限が得られている。二項分布の例はIRTにおける能力の推定に関して応用された。IRTのロジスティックモデルは異なる独立なベルヌーイ分布の下でのロジットのモデルであるので、前記の下限を用いることにより、能力の推定量の漸近平均2乗誤差を減少させることが可能となった。

2. 指数分布族におけるカノニカルパラメータの推定量の漸近的性質(前半)
カノニカルパラメータがスカラーの場合もポアソン分布、二項分布等重要な分布がある。スカラーの場合は最尤推定量の高次漸近分散及び4次までの漸近キュミュラントはスカラーの十分統計量(期待値パラメータの推定量)の歪度の2乗と尖度の簡単な関数になることが示された。スカラーのカノニカルパラメータの最尤推定量をステューデント化した場合の漸近キュミュラントは、IRTにおける能力パラメータ(スカラーのカノニカルパラメータ)の文脈でOgasawara (2013)が導出している。その結果、漸近バイアスは0になることが示された。この例の証明より、カノニカルパラメータがスカラーの一般的な場合にも成立することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

関連する成果を1編の査読付き国際誌に発表できた。また、同成果を3件の国際会議と3件の国内の学会大会で発表した。

今後の研究の推進方策

研究は順調に進展しているので、引き続き研究計画に則り研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

過年度の前倒し請求を含め10万円単位で使用予定額を計画したため、10万円未満の残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

前倒し支払い請求を行う前の次年度の研究遂行に必要な経費の一部にあてる。現在は3件の国際会議と3件の国内の学会大会に発表を予定しており、その経費の一部にあてる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Bias adjustment minimizing the asymptotic mean square error.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara, H.
    • 雑誌名

      Communications in Statistics - Theory and Methods

      巻: 44 ページ: 3503-3522

    • DOI

      10.1080/03610926.2013.786788

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 項目反応理論における擬似度数を用いた能力パラメータの推定2015

    • 著者名/発表者名
      小笠原 春彦
    • 学会等名
      日本心理学会第79回大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2015-09-22 – 2015-09-24
  • [学会発表] 正規及びジェフェリーズ事前分布の冪に関する最適化―主に指数分布族におけるカノニカルパラメータの場合2015

    • 著者名/発表者名
      小笠原 春彦
    • 学会等名
      2015年度統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス
    • 年月日
      2015-09-07 – 2015-09-09
  • [学会発表] 項目反応理論における能力パラメータの推定量の漸近期待2乗誤差の縮小2015

    • 著者名/発表者名
      小笠原 春彦
    • 学会等名
      日本行動計量学会第43回大会
    • 発表場所
      首都大学東京 南大沢キャンパス
    • 年月日
      2015-09-02 – 2015-09-04
  • [学会発表] Matching pseudocounts for interval estimation of binomial and Poisson parameters.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara, H.
    • 学会等名
      The 60th World Statistics Congress
    • 発表場所
      Rio de Janeiro, Brazil
    • 年月日
      2015-07-26 – 2015-07-31
    • 国際学会
  • [学会発表] Asymptotic properties of the Bayes modal estimators of item parameters in item response theory.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara, H.
    • 学会等名
      The 14th European Congress of Psychology
    • 発表場所
      Milan, Italy
    • 年月日
      2015-07-07 – 2015-07-10
    • 国際学会
  • [学会発表] Optimization of the Gaussian and Jeffreys power priors with emphasis on the canonical parameters in the exponential family.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara, H.
    • 学会等名
      2015 IMS-China International Conference on Statistics and Probability (IMS = The Institute of Mathematical Statistics)
    • 発表場所
      Kunming, China
    • 年月日
      2015-07-01 – 2015-07-04
    • 国際学会
  • [備考] Haruhiko Ogasawara

    • URL

      http://www.res.otaru-uc.ac.jp/~hogasa/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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