研究課題/領域番号 |
26330033
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
イリチュ 美佳 (佐藤美佳) 筑波大学, システム情報系, 教授 (60269214)
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研究分担者 |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
清水 信夫 統計数理研究所, データ科学研究系, 助教 (00332130)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多次元尺度構成法 / クラスタリング |
研究実績の概要 |
ビックデータの解析には、データを類似するもの同士にまとめて解析をする方法論がある。しかし、まとめられたグループ(クラスター)は、数学的尺度をもたないため、その分類結果を利用した解析が困難であった。そこで、本研究では、得られたクラスターに、ユークリッド空間の次元を数学的に付与する手法を提案し、これによりクラスターを尺度として用いる事を可能とした多次元クラスター尺度構成法を開発し、その有効利用を図ったものである。本年度は、開発した手法の社会的データに対する応用とその成果の公表に力を入れた。例えば、高次元小標本の特性をもつセンサーデータ、遺伝子発現データ、人間の誤認識に基づく混同データ等に適用し、その有効性を示した。また、この研究成果を、米国、サンノゼにて開催された国際会議CAS2015において発表し、発表した論文"Multidimensional Joint Scale and Cluster Analysis"に対して、1st Runner-Up Theoretical Paper Awardを受賞した。さらに、CMStatistics 2015国際会議やIASC-ARS 2015国際会議での招待研究発表、日本知能情報ファジィ学会東海支部研究会での招待講演で、この手法に対する理論的、応用的研究成果を示すとともに、この手法と従来の統計的手法との比較研究から、ソフトコンピューティングに基づく分類手法の特性を利用した発展的研究成果についても発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案手法とその発展的手法を開発し、社会的データに対して応用することが本年度の主な目的であったが、その目的を達成しているため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
従来の統計的手法との比較から得られたソフトコンピューティングの有効利用に基づく発展的手法について、精査する必要がある。さらに、ビックデータに対する応用を進めるとともに、論文にまとめ公表する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の使用金額で少額の残額があったため。
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次年度使用額の使用計画 |
残額が少額であるため、28年度の分担金額と合算して消耗品の購入を計画している。
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