研究課題/領域番号 |
26330039
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 浩平 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60299055)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 多変量解析 / スパース因子分析 / 行列分解因子分析 / スパーセスト因子分析 / 斜交解 / EMアルゴリズム / ペナルティ・フリー |
研究実績の概要 |
[1]各変数が単一因子に負荷するAを求めるスパーセスト斜交因子分析(FA)を確立した.この方法は,行列分解FAの定式化に基づき,因子得点をQR分解によってリパラメトライズするものである.スパーセスト斜交FAの挙動をシミュレーションによって評価した上で,実データへの適用によって,変数のクラスタリングに有用であることを証明した. [2] 個体数よりも変数の方が多い高次元データに対するスパーセスト斜交因子分析(FA)の開発をすすめた.この方法は,EMアルゴリズムによって尤度を最大化させる方法である.コンピュータ・プログラムを作成した後,実データへの適用によって,高次元の変数のクラスタリングに有用であることを例証した. [3] [1]のスパーセスト斜交FA,および,前年度のスパース直交FA(SOFA)の基礎になる行列分解FAの解の数理的性質に関する理論研究を進め,幾つかの定理を見出した.これは,スパースFAの解の性質を考究するための基礎になる. [4] 2通りのペナルティ関数を使わないスパース斜交FAの方法を考案した.その1つは,EMアルゴリズムを用いた最尤法に基づく方法で,もう1つは行列分解FAの交互最小二乗アルゴリズムに基づく方法である.いずれの方法でも,Majorizationアルゴリズム(補助関数法)が負荷行列の更新に使われる.両方法のコンピュータ・プログラムを作成して,簡単なシミュレーションを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
応募時に構想した年次計画とほぼ一致するペースで研究が進み,2篇の論文を国際学術誌に投稿できたため.
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今後の研究の推進方策 |
高次元データに対するスパーセスト斜交因子分析(FA)を確立させた上で,平成28年度に考案したスパース斜交FA法の挙動を体系的なシミュレーションによって評価し,実データへの適用を通して,有用性を例証する.そして,最終年度として,開発してきたペナルティ関数を使わないスパースFAおよびPCAの諸方法の数理的性質・応用目的の考究などを通して,総括的考察を行う.
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