| 研究課題/領域番号 |
26330041
|
|---|
| 研究機関 | 岡山大学 |
|---|
研究代表者 |
栗原 考次 岡山大学, その他の研究科, 教授 (20170087)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | 空間データ / 大規模データ / 階層構造 / ホットスポット / 集積性 |
|---|
| 研究実績の概要 |
平成２６年度は、１．多次元空間データの分類とホットスポットの検出、２．空間構造を利用した放射能データの解析、３．地域データに対するピークを中心とした圏による分類手法の開発の３つのテーマについて集中的に研究を行った。
１．多次元空間データの分類とホットスポットの検出：４次元空間データとして、(1)３次元空間上のボクセルデータがいくつかの時点で観測された４次元時空間データ、(2)４次元空間上の超ボクセルデータ、の２種類の空間データに対するホットスポット検出への拡張について研究を行った。(1)では、８近傍系での分類を環境汚染物質データを基に同位相分類及びホットスポット検出を行った。(2)では、４次元目の空間を３次元同様に考える８、８０近傍系を定義し、人工データでの同位相分類及びホットスポット検出を行った。
２．空間構造を利用した放射能データの解析:日本原子力研究開発機構（JAEA）が公開している福島第一原子力発電所に隣接する浪江町, 大熊町, 富岡町, 双葉町, 飯館村, 葛尾村の６村の空間線量率データに対し、空間集積性の観点から、空間線量率が有意に高い領域の検出を行った。
３．地域データに対するピークを中心とした圏による分類手法の開発:本研究では、各種の地域データに対して、エシェロン解析で得られた階層構造を基にピークを中心とする圏による地域の分類を行う方法を新たに提唱した。
これらの研究成果は、台北（台湾）で開催された第3回IMS-APRM学会での招待講演、京都で開催された Kyoto International Conference on Modern Statistics in the 21st Century 等の国際会議及び統計関連学会連合などの国内学会で講演するとともに、国内外の査読論文として公表した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で掲げた平成２６年度の実施計画である、１．多次元空間データの分類とホットスポットの検出、２．空間構造を利用した放射能データの解析、３．地域データに対するピークを中心とした圏による分類手法の開発、に関する研究については予定通り順調に研究が進んでいる。これらの成果は、国内外の学会や論文誌として随時公表している。４．観測変数の多変量化とプラットフォーム化については、研究はある程度進んでいるものの、公表を行っていないので学会発表を行う予定である。
|
| 今後の研究の推進方策 |
平成２７年度の研究では、１．多次元空間データの分類とホットスポットの検出については、４次元分割表を対象に具体的データを対象に解析を進めたい。２．空間構造を利用した放射能データの解析及び３．地域データに対するピークを中心とした圏による解析については、さらに大規模な空間データの解析を進める。
４．観測変数の多変量化とプラットフォーム化については、研究成果の公表を行う。５．近傍情報の拡張については、山脈や川などの地形や鉄道・交通などの交通網に対応した新近傍を定義し、新たな近傍情報に基づく地域構造について考察する。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
「その他」の項目で使用を予定していた金額が予定額以下になり、2万円程度次年度に繰り越しを行った。
|
| 次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に「その他」の項目として使用予定である。
|
