研究課題/領域番号 |
26330046
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
末松 伸朗 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (70264942)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 画像分割 / 正規混合モデル / ガウス過程 |
研究実績の概要 |
(1) 画素の空間相関をガウス過程で表現する画像分割法を提案し,その自然画像データベースを用いた評価を行なった.利用した自然画像データベースは,画像分割の分野で広く使われている Berkeley Segmentation Dataset である.この評価では,空間相関をマルコフランダム場で表現する手法(SVFMM)と分割精度を比較した.分割精度の評価は容易ではなく,様々な指標で測られるが,分割を画素のクラスタリングとみなした場合の指標 PR Index とセグメント境界を見つける問題とみなしたときの F-measure の大きく基づく視点の異なる2つの指標で評価したが,いずれの指標でも提案手法はSVFMMに対して優れた結果を得た.また,この結果をまとめたものは IEICE Transactions on Information and Systems に掲載が決まった.
(2) 画像の強度関数にガウス過程事前分布をおくことで得られる空間フィルタの研究に関しては,ベイズ過程に基づく平滑化フィルタを定義し基本的な性能を調べ,高いノイズ低減性能を持つことが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1) 画素の空間相関をガウス過程で表現する画像分割で初年度の最大の目標であった,実アプリケーションによる評価が達成できた.しかし,擬似EMアルゴリズムの改良は未だ達成できていない. (2) 画像の強度関数にガウス過程事前分布をおくことで得られる空間フィルタにおいても,平滑化フィルタを設計し,基本的な特性の評価を行えた.しかし,当初予定していた,既存フィルタとの関係の,理論的,実験的比較がまだ行えていない.また,確率情報の利用についても行えてない.
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今後の研究の推進方策 |
(1) 画素の空間相関をガウス過程で表現する画像分割の擬似EMアルゴリズムに関する検討を継続し,アルゴリズムの改良を目指す.また,予定通り今後画像に適した共分散関数を選ぶ方法について検討する. (2) 画像の強度関数にガウス過程事前分布をおくことで得られる空間フィルタについて,既存空間フィルタとの理論的,実験的比較を行う.また,確率情報の有効な利用法について検討を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
主な理由は,当初予定していた GPGPU として Tesla K20 を備えるワークステーションの代わりに,より廉価な GPGPU を搭載したモデルを購入したことである.これは,比較的廉価なモデルで実際の計算性能を評価し,その結果を踏まえてより高性能なモデルの購入を検討した方がよいと判断したためである.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は,当該年度購入した比較的廉価なモデルでの性能評価に基づいて適切な機器を選択し購入するため使用する.
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