概ね予定通りの研究項目を行い、予想と一致している結果を得ました。 HEVCの探索中心は、探索中心の予測精度が不十分のため、広い範囲を探索する必要があり、HEVCが抱える重大な問題である演算量の増加につながる。本研究は、複数の探索中心から予測する手法を用いて、より正確な探索中心を選択し、ビット削減を図る。先行研究で行った実験の結果に示されるように、この提案は最大19%、平均11%のビット削減を達成できた。この手法をHEVC/SVCにも組み込み、高い圧縮率を実現した。 先行研究では、H.264/AVCに採用された画面間予測、画面内予測を単独に評価し、選択する既存概念を打ち破り、隣接フレームの画素を用いて空間予測に使用することにより、高い圧縮性能を実現した。この提案の実験結果が示すように、平均16%のビット削減を達成できたので、HEVC/SVCに使用して高い符号化効率を実現した。 提案手法の改良を行ってから、本研究の提案手法とHEVC/SVCの提案を比較する必要がある。HEVC/SVCに提案された複数の提案に、それぞれの特長があるが、画面間と画面内の手法を分けてそれぞれと比較した。また、提案手法を併用した場合、より良い性能を達成できると予測し、併用する場合の検証も行った。検証の結果、提案手法が優れたことを証明され、その結果を論文にまとめた。また、GPUによる並列処理能力の検証をする予定だったが、検証用システム全体が膨大であるため実現できなかった。
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