研究課題/領域番号 |
26330075
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
佐藤 寿倫 福岡大学, 工学部, 教授 (00322298)
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研究分担者 |
請園 智玲 福岡大学, 工学部, 助教 (50610060)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 計算機アーキテクチャ / 新世代メモリ / 低電力メモリ / 高信頼メモリ |
研究実績の概要 |
現在でもコンピュータにはより高い演算性能が期待されているが,プロセッサ性能と比較してメモリ性能の改善が遅れており,IoTやディープラーニングなどの近年大きな注目を集めている応用分野を満足させることが出来ていない.このような背景の下で,メモリの階層構造とアクセス方式を同時に改善することにより,高性能で低電力なメモリを実現することが本研究の目的である.二年度目の目標でありながら進捗に問題のあった計算機シミュレーションによる実験であるが,本年度はIoT分野での応用に特化して評価し,情報処理学会の全国大会などで評価結果を公表した. IoTデバイスは2020年には500億個を超えるという総務省の予測があり,電力供給の困難な環境下で使用するためには,それらIoTデバイスの低消費電力化が急務となる.近年大きな注目を集めているKey-Value Storeのデータ構造の利用を想定し,フラッシュメモリを備えるIoTデバイスでの消費電力削減を検討した.フラッシュメモリでは,待機時の消費電力が小さい一方で,書き込み時の消費電力が非常に大きいことが課題となっている.センサーが獲得したビッグデータの処理を目標にしてシミュレーションを実施し,フラッシュメモリで消費される電力を約30%削減することが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究期間のうちの二年間に,研究代表者が学生の就職活動支援を任されることになり,その校務が多忙であったために研究の実施が遅れがちであった.大学院進学者を獲得できなかったことも想定外で,研究を遂行する絶対的な時間が足りなかった.遅れを取り戻すために研究分担者を追加するなどしたが,不本意ながら十分な効果は得られなかった.
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は修士課程の院生を獲得できたので人的なリソース不足を改善でき,これまでにましてシミュレーション実験を実施する.IoT分野以外にも応用分野を探し,近似計算などの周辺技術も取り入れて,本来の目的である高性能かつ低電力なメモリの実現を図る.出来るだけ早期に成果をブラッシュアップし,対外発表を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗状況で説明した同じ理由である.
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次年度使用額の使用計画 |
補助事業期間延長を申請し,承認されている.今後の研究の推進方策で説明した通りに研究を進めれば,適切に使用できるはずである.
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