研究課題
開発者の知識をソフトウェア開発環境で活用する試みとして開発者の編集行動に即時のフィードバックを与えるライブプログラミングシステムの研究を行った。これらは前年度から行っている試みの継続である。ライブプログラミングシステムは、試行錯誤や誤りの早期発見に適していることで注目されているが、本研究課題で行っているような開発者の意図を推定によって、フィードバックをより適切なものにすることが可能になると考えられる。この発想の下、本年度は以下の2点について研究を進めた。(1)前年度に作成を開始したデータ構造プログラミングのためのライブプログラミング環境の開発を継続した。前年度までに作成していた基本部分に加えて、(a)データ構造の自動レイアウト機能、(b)プログラム変更前後でデータ構造表示が自然に変化するようなmental map preservation機能を中心に、実用的な開発環境に必要となるように機能の充実を図った。(2)このような環境が開発者のプログラミング行動にどのような影響を与ぼすかについての予備的な実験を行った。具体的には、今回開発した環境と、文字列によってデータ構造の表示を行うライブプログラミング環境の2つを用い、小規模のデータ構造に関するプログラミングを行わせ、その違いを観察した。その結果、文字列表示と図表示では、図表示の方が実行時エラーを早く解決している傾向があること、図表示の場合には文字列表示の場合に見られない種類の誤りを犯す場合があることなどが判明した。また、被験者の多くが図表示の有用性を認めていることも分かった。これらの成果については現在、国際会議に論文を投稿中である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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