研究課題
平成26年度は,センサエラー分類モデルの構築と,その分類モデルを用いた集中型のセンサデータ自己修復手法を提案した.センサエラー分類モデルの構築にあたっては,Intel Berkeley labのデータセットや,オランダGroningen大学内のスマートビルディングで得られたデータセット,スペインサンタンデール市に設置されているスマートシティシステムから得られたデータセットなど,様々なデータセット内のデータを分析し,文献調査の結果と統合してセンサエラー種類ごとの特徴を定式化し,決定木として分類モデルの定義を行った.次に,分類モデルを用いた集中型のセンサデータ自己修復手法を提案した.集中的に収集されたセンサデータに対して時空間的解析によって特徴量を抽出し,センサエラー分類モデルに基づいてセンサエラーを検知・分類し,その結果に基づき各ノードに対して適切な補正を実施するフレームワークを構築した.さらに,長期間にわたって高精度でエラーの分類・検知を行うために,統計的パターンマッチングを用いてセンサエラー分類モデル自体の最適化を行った.さらにこれらの手法を,三鷹市の駐輪場に設置されている車両検知センサーのデータセットや,スペインサンタンデール市に設置されている気温センサーのデータセットなどに適用し,その有効性を評価した.
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画では,(1)センサエラー分類モデルの構築と(2)センサエラー分類に基づく集中型のセンサデータ自己修復手法の構築という2つを平成26年度に実施する計画だったが,それらの目標を達成することができた.また,提案した手法をシミュレーションのみならず,様々な実センサデータセットを用いて評価することができた.従って,研究は計画通りに順調に進展しているといえる.
平成26年度の進捗が予定通り進んだため,平成27年度では当初の計画通り,大規模なWSNに対して自己修復の適用を可能とするために,各ノード上で自身のノードに含まれるセンサエラーの検知・分類・除去を行うセンサデータ自己修復手法の分散化を行う.
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IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics: Systems
巻: Vol.45, No.4 ページ: 675-687
10.1109/TSMC.2014.2360506