本研究では,センサデータに含まれるエラーを自動で除去する無線センサネットワークの自己修復手法を提案した.センサデータに含まれるセンサエラーは,物理状態の推定精度を落とす主要因となるため,可能な限り除去する必要がある.センサエラーは,ハードウェアの異常や物理環境の影響によって様々な種類があり,稼働時間とともに増大するため,無線センサネットワークを実運用する際の障害となっている.そこで,本研究では,人手を介さずにセンサエラーを除去することを目的とし,ソフトウェアによって稼働中にセンサエラーを検知・分類・除去する,スケーラビリティの高い自己修復手法を提案した. 平成28年度は,前年度までの研究成果を反映して,WSNアプリケーションを用いた既存のスマートシティアプリケーションを開発し,実験評価を行った.具体的には,まず,公開されているオープンなセンサーデータセットを用いたオフライン実験評価を行った.さらに,スペインサンタンデール市に設置されている環境センサー群に対して自己修復手法を適用するオンライン実験を行い,本手法の有効性を確認した.
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