研究実績の概要 |
本研究の目的は, 阪神淡路大震災や東日本大震災のような大規模災害時を想定し, ある組織の構成員の状況を集めることを念頭においた情報の収集活動の実施ができる環境を構築することである. 想定する環境としては, インターネット基盤の一部が不調であることや, 組織内に特化したネットワークを活用することを念頭においている. 本年度は, 情報配送基盤システムとして広く使われている電子メールサービスについて, 配信を阻害する要因として, レピュテーションサービスによる誤認によって電子メールメッセージが配信されない事態を回避する仕組みについて検討し, 成果を発表した. (石 橋 由子, 桝田 秀夫:「レピュテーションサービスと連動して送信元を変化させるメールサーバの提案 」,情報処理学会(IPSJ) インターネットと運用技術シンポジウム2016 WIP,IOTS2016-25, December, 2016) また, 組織内のネットワークを災害時に開放することを考慮し, ネットワークから収集した利用者属性を活用できるようにしたネットワークシステムの検討をすすめた. 本システムは対外発表にはこぎつけられなかったが, 学内に配置したWi-Fiアクセスポイントの情報を収集することでデバイスの識別をしたり, pfsenseを用いて接続時認証を実施する仕組みについて, 実現できそうであるという見込みを得ている.
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