研究課題/領域番号 |
26330108
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
重井 徳貴 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (90294363)
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研究分担者 |
宮島 廣美 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (60132669)
寺村 正広 佐世保工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20713481)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 無線センサネットワーク / 移動型センサノード / 通信プロトコル / 省電力化 / ニューラルネットワーク / 強化学習 / エアコン制御 |
研究実績の概要 |
本研究の一つ目の目的は、無線センサネットワーク(Wireless Sensor Netowrk: WSN)および自律的に移動可能なモバイルノードを有するモバイルWSNにおいて、ネットワーク全体の長期間稼働を可能にする通信プロトコルおよび動作制御のアルゴリズムを実現することである。 一つ目の目的に関しては、移動型センサノードの使用において、稼働時間を最大化するために、通信と移動のトータルの消費電力に加えノードの電力残量を考慮したアルゴリズムを提案した。また、実装面を意識して、分散型のアルゴリズムについて検討し、通信オーバヘッドの少ない手法を提案した。また、複数の基地局を使用する手法について検討した。 本研究の二つ目の目的は、WSNおよびモバイルWSNのための安価で省電力かつ高性能な実装法を開発するとともに、省エネアプリケーションのためのWSNシステムおよびモバイルWSNで使用するモバイルノードのプロトタイプを作成することである。 二つ目の目的に関しては、まず、回路による実装の基盤技術として、従来の比較器より複雑な判別ができるニューラルネットワークを用いた比較器を提案した。 省エネアプリケーションに関しては、既存のエアコンに適用可能である省エネと快適性の両立を目指した強化学習に基づく感覚尺度を学習するエアコン制御システムを提案し、数値実験によりその有効性を示した。モバイルノードのプロトタイプ作成に関しては、作成の準備段階として、作成に使用する機器の特性を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1つ目の目的である、ネットワーク全体の長期間稼働を可能にする手法の実現に関しては、いくつかの手法を提案し、国際会議2件、論文誌掲載論文1編で発表し、計画通り順調に伸展していると考えている。 2つ目の目的であるに関しては、センサノードで使用できる判別回路の実装法とエアコン制御のためのWSNシステムを提案し、国際会議と国内学会で成果を発表してきたが、モバイルノードの試作のが当初使用を予定していた機材が入手不可能となったため予定よりも遅れているが、おおむね順調に伸展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、2つの目的を柱として、研究を推進する。1つ目の目的に関しては、新たに、モバイルノードの通信範囲を制限したモデルについてネットワーク構築法を検討する予定である。これは、より広い観測範囲をカバーするために有用な技術である。2つ目の目的に関しては、新たに、モバイルノードのプロトタイプ作成の回路作成に着手する予定である。
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