研究課題
本研究では、従来、グラフ理論を用いて確立されてきたネットワーク制御手法を拡張し、近年、ソフトウェアによって、より自由度の高い制御を可能にする技術として注目を集めているSDN(Software Defined Networking)とりわけOpenFlowプロトコルを用いて、信頼性の高い大規模なネットワークの設計を目的としている。具体的には、制御負荷の軽減とシステム規模の拡張性を高めるため、分散配置された複数のコントローラが協調動作して効率的な運用を実現する発展的な手法を提案してきた。一般的にリング型のトポロジを用いた障害復旧技術は少ない制御メッセージ数で高速な障害復旧が可能であることが知られているが、適応可能なネットワークが限られている。そこで、この技術をメッシュネットワークへ適用する取り組みがなされており、リング構造(サイクル)を用いた障害復旧方式が提案されている。この方式では、全ての通信回線の障害に対応でき、かつ、予備経路を最大限に節約するサイクルの集合を求めることが非常に難しい。基本タイセット系による障害復旧を実現するために、予備経路の算出方法と障害が発生してから復旧するまでの一連の具体的動作を提案し、各ノードが所持するテーブルの作成法、および、テーブルに従ってどのように振る舞うかを定義し、OpenDaylightによる実装を進めた。成果として、(1)複数コントローラ環境の構築、(2)スイッチからコントローラへの通信量の削減、(3)スイッチ監視のための通信量の削減、(4)フローエントリ数の集約による削減、(5)ループ障害の復旧処理を達成することができた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
電気学会論文誌C
巻: Vol.137-C, No.2 ページ: 317-325
10.1541/ieejeiss.137.317
Operations Research Perspectives, ELSEVIER
巻: Vol.3 ページ: 59-66
10.1016/j.orp.2016.09.003
http://www.t.soka.ac.jp/~shinomi/