研究課題
本研究では,広帯域ストリームデータを対象に,障害発生の問題箇所を自動的に絞り込む検査分析機能と詳細なパケットキャプチャ情報を基にポスト解析を行う機能を実現する.本年度も8K超高精細映像を題材として,以下のように実現した.(1)ノードの協調連携による検査分析の自動化:上位レイヤの解析機能として,RTPパケットのリアルタイム解析機能を実装し,シーケンス番号の異常検出などを障害報告条件として指定できるようにした他,複数の測定装置で収集した障害情報を汎用ログ収集システム(fluentd)の枠組みを使って集約する事で,障害発生区間の特定を行う機能を実装した.(2)伝送状況の多面的な分析とリアルタイム可視化機能: 8K超高精細映像を扱う事によりover 100Gbpsの回線容量を並列に同時解析する必要性が生じた.このような多地点の高速パケットキャプチャ機構を実現するために,市販の汎用スイッチのタッピングデータの集約機能を用いて,任意の複数回線のキャプチャデータからヘッダ情報を抽出し,これを特定ポートに集約し,一括で処理するモニタ機能を再設計した.集約部では,一括での解析処理を行う必要があるため,高速処理性能が要求されるが,このために,Intel DPDKを使って解析処理にCPUの特定コアを占有させる事により,over 100Gbpsのキャプチャ・分析性能を達成した他,トラヒック表示・障害表示のGUIリアルタイム可視化を実現した.本システムを2017 NICT雪まつり実験において利用し,有効性を検証した.(3)高精度時刻情報に基づくポスト解析機能: 上記の可視化システムにおいて,過去の任意の時間からのデータをリアルタイムで可視化する機能を付与し,キャプチャ地点毎の障害前後のトラヒックの状況を可視化する事で,問題点の追究を可能とした.
「8K超高精細ライブ非圧縮映像とリアルタイムに生成した8K CG映像を用いて100Gbps超の大容量の遠隔配信実験に成功」神奈川工科大(大学プレスセンター),2017.2.3.「日米の複数拠点のモーションキャプチャデータから8K超高精細CG映像のリアルタイムレンダリング処理を行い、非圧縮のままリアルタイム遠隔配信する実験に成功」 神奈川工科大(大学プレスセンター),2016.12.6.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
International Journal of Advanced Media and Communication, InderScience publishers
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10.1504/IJAMC.2017.10004860
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