研究課題/領域番号 |
26330124
|
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
下川 俊彦 九州産業大学, 情報科学部, 教授 (60301347)
|
研究分担者 |
吉田 紀彦 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00182775)
神屋 郁子 九州産業大学, 情報科学部, 助教 (00615354)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 仮想計算機 / 計算機管理 / ソフトウェア構成管理 |
研究実績の概要 |
本申請研究では、複数のクラウドを跨ったオートスケールである、「インタークラウドオートスケール」の実現を目指している。これを実現するために、以下の2項目を目的として研究を遂行している。1)仮想計算機イメージを複数のクラウド間で適切に管理するための技術の確立。2)仮想計算機を複数のクラウド上で適切に増減するための技術の確立。 平成26年度は1)については仮想計算機イメージの配布先選択・配布時期決定手法およびイメージ配布の効率化について研究を遂行した。当初予定していたP2P技術を用いたイメージ配布技術について良好な結果を得ており、学会発表も行った。これと平行して、イメージの配布先選択・配布時期決定手法の検討を進める中で、イメージを配布するのではなく各クラウド上の既存の仮想計算機イメージを元にソフトウェア構成管理機能を利用し仮想計算機を構築することで、配布時期の自由度が高くなり、イメージ配布についての効率化が図れることが分かってきた。そこで、ソフトウェア構成管理機能を用いた仮想計算機イメージ管理手法に注力し研究開発を行った。この結果、従来手法に比べて、環境によっては90%以上の時間短縮を可能とする技術を開発することができた。平成27年度においては、本手法の学外発表を行い、研究成果の公開に務める。 2) については、当初計画では第4四半期から研究を開始する予定であった。しかし、1)について非常に良好な結果が出たことから、こちらの研究の推進を優先したため、基礎的な調査および検討に留まってしまった。これについては平成27年度以降の研究の中で遅れを取り戻す予定である。 また、クラウドシステムのアプリケーション例として、動画配信システムのアクセス評価システムを開発し、その成果について発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に推進する予定であった主な課題2つのうち、1つ目の課題である仮想計算機イメージ管理技術については、当初予定していたP2P技術を用いた方法と、新たに考案した手法の二つについて成果を上げることができている。基礎的な技術については、ほぼ確立できたと考えている。これらを統合し実用性を向上すること、一般性を向上することが今後の課題となる。 一方で、2つ目の課題については、当初予定していた内容と比較して、必ずしも順調ではない。ただし、これは研究遂行に遅延が生じているというわけではなく、1つ目の課題の成果が順調なため、そちらに注力した影響といえる。 従って、研究課題全体としては、概ね順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度前半においては、平成26年度の研究計画において、若干の遅れを出している、仮想計算機増減技術について注力する予定である。これを持って、平成27年度後半には、当初の予定通りシステム統合化や学会発表を進めていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度末に予定していた学会発表が中止となってしまったことにより、旅費の支出が予定より少なくなってしまった。
|
次年度使用額の使用計画 |
予定していた学会発表を平成27年度中に行う。それ以外については、当初予算通りの予定である。
|