研究課題/領域番号 |
26330126
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 伸崇 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (60305779)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | XML / XSLT / 木変換機 |
研究実績の概要 |
本研究は,スキーマ更新に応じてXSLTスタイルシートを修正する効率の良いアルゴリズムの開発を目的としている.前年度(平成26年度)において,申請者らは,スキーマ更新によってXSLTスタイルシートのどの規則が影響を受けるかを特定するためのアルゴリズムを構成している.ここで,スキーマS,Sに対する更新内容u,Sの要素e,およびXSLTスタイルシートの規則rに対して,Sの更新前にはrがeに適用可能であったがuによる更新後には適用不可能となった,または,Sの更新前にはrがeに適用不可能であったがuによる更新後には適用可能となった場合に,uに関してeにおいてrが影響を受けるという.今年度において,まず,上記アルゴリズムをJavaを用いて実装し評価実験を行った.スキーマとしてMSRMEDOCのDTD,XSLTとして申請者らが作成したものを用いた.その結果,更新の影響を受けたことが人手では判別しにくい規則でも,本アルゴリズムを用いれば影響を受けたことを正しく判別可能である等の結果が得られた.現在,得られたアルゴリズムを拡張することにより,スキーマ更新に応じてXSLTスタイルシートを修正する効率の良いアルゴリズムの設計を行っており,その骨格を得たところである.このアルゴリズムは,まず,上記で得られたアルゴリズムを用いて「スキーマ更新によって影響を受ける要素と規則」を特定する.次に,影響を受ける要素eと規則rに対して,スキーマ更新の種類(要素の追加,削除等)に応じてrを修正する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,スキーマ更新に応じてXSLTスタイルシートを修正するアルゴリズムを開発し,評価実験を進める予定であった.現時点では,スキーマ更新によって影響を受ける規則を特定するアルゴリズムは得られており,その実装と評価実験を行っている.また,そのアルゴリズムに基づいて,スキーマ更新に応じてXSLTスタイルシートを修正するアルゴリズムを開発中である.全体としては,おおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
スキーマ更新に応じてXSLTスタイルシートを修正するアルゴリズムについて,修正方針について更なる考察・検討を行った上で,実装および評価実験を行う予定である.これまでの考察の結果,スキーマが更新された場合に,どのようにXSLTを修正すべきかを一意に定めることは困難な場合があるため,一意に修正を行う代わりに,複数の修正候補をユーザに提示し選択してもらうのが適切であると考えている.この点についての考察・検証を行い,スキーマ更新に応じてXSLTを修正するための修正候補を提示するアルゴリズムを開発する予定である.
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