画像表示デバイスの解像度とサイズの違いが,ユーザーの満足度にどのような影響を与えるかを検討した. 4K2K-TV(3840×2160),PC(1980×1080),iPhone 6s Plus(1980×1080)の3種類のデバイスを用意し,「臨場感」の感じ方の影響を調査した.NIRSを用いた脳血流の計測実験と「臨場感」について主観評価実験を行った.ΔOxy-Hbと「臨場感」との関連性を調査するため,各画像の全16chのデータを4K,PC,iPhoneの群に分類し,t検定を行った結果,4Kの画像視聴時,ch13に有意傾向が見られた. 異なる画像コンテンツに対する嗜好,快・不快の影響を検証するため, NIRSを用いた脳血流の計測実験と好き・嫌い,快・不快のアンケートを行った.画像の解像度は,3840×2160ピクセル,1980×1080ピクセルである.画像毎で各chにおいて被験者のΔOxy-Hbの加算平均を求め,それぞれのch毎にその結果と全ての被験者の主観評価値との比較を行うためt検定,スピアマンの相関係数を算出した.結果,ch5,7が嗜好に関連しており,主にch6が不快と感じた際に関連していた.嗜好,快・不快による脳血流の影響が見られ,QoE評価への可能性が示唆された. 画質と志向度が異なる画像を評価対象として,異なる教示法(教示なし,コンテンツ内容に注目,画質劣化に注目)の時のOxy-Hb変化量を測定し脳活動の影響を検討した.結果,教示なしのコンテンツに着目した時,「画質」間には有意差はなかったが,ch2,ch6には「嗜好」に関する有意差が見られた.画質劣化に注目した時,「画質」間にはch5,ch14に有意な差が見られた上,「嗜好」についてch2,ch6,ch14に有意差が見られた.画質劣化より嗜好のほうがより脳活動に影響しやすいことがわかった.
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