研究課題/領域番号 |
26330134
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
周 向栄 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00359738)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | データベース / 医用画像 / 解剖構造 / 機械学習 / 計算機支援診断 / 手術計画支援 / 3D Printing |
研究実績の概要 |
平成27年度の業績は主に以下の三つである. (1)医用画像の収集:これまでに収集した体幹部CT画像に加えて,100例のMR機能画像(T2とDWI)を収集した.これによって,本研究が目指しているデータベースには,解剖構造の分析だけではなく,人体の機能情報にも活用できるようになった. (2)データベースの構築:CT画像から解剖学的構造を自動認識し,その情報をデータベース化するシステムを拡張した.これまでに認識できた様々な臓器領域の情報を加えて,新たに各椎体,左右の乳房,上行と下行大腸の存在範囲を自動的に認識するアルゴリズムを開発し,データベースの情報をさらに細分化した. (3)医療現場への応用:構築したデータベースに基づいて,CT画像から乳腺の密度を計測して乳がんのリスク評価への試みを行った.この内容を平成27年度の国際会議SPIE Medical Imaging2016で発表した.また,子宮筋腫の手術計画を支援するために,計算機による骨盤部の解剖構造の可視化と3Dプリンタによる模型造形を行い,結果を外科の医師に提供した.実際に摘出された臓器の実物と比較し,模型の精度と有用性が示された.この結果を北米放射線学会(RSNA2015)と日本放射線技術学会(JSRT2016)で実物を展示し,詳細な結果を発表した.よって,本研究で構築したデータベースは医用画像診断と手術支援に役に立つ情報を提供できると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベースの中身となる医用画像の収集を計画通り行い,十分な症例数に達成した. CT画像から解剖構造を自動認識し,データベースに登録するアルゴリズムも実用的なレベルに開発できた. データベースに登録された情報を臨床現場に応用し,一定の有効性が確認された.
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今後の研究の推進方策 |
データベースの検索の効率化を推進する.特に,設計者の経験に依存しない深層学習の技術を導入する予定である. 国内と海外の研究者と緊密に連携しながら,最新な研究の方向性を常に把握することが重要と考える.
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次年度使用額が生じた理由 |
本件研究者は,新学術領域「多元計算解剖学」にも参加しており,一部の物品(高性能の計算機)を共通に利用している.計算機の更新が目覚ましく,必要な時に購入する方が良いと考えて,購入の時期を遅らせている.
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次年度使用額の使用計画 |
DeepLearning用のGPUボード(GeForce GTX TITAN X)を複数購入する予定である.必要に応じて,ボードを装着用のPCと大容量のHDDを新規に購入することを考えている.
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