研究課題/領域番号 |
26330142
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
竹島 由里子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (20313398)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 可視化 / 多変量データ解析 / 可視化環境 |
研究実績の概要 |
本研究では,科学技術分野で生成される多変量データにおける変数間の相関を把握しながら,物理空間内の振る舞いも把握できるようにするための,情報可視化と科学技術データ可視化を連携した融合可視化環境を構築することを目指している。当該年度では,前年度に開発した科学技術データの可視化環境の拡張と,情報可視化環境の構築を行った。 科学技術データの可視化では,可視化パラメタ値設定に関する支援機能を組み込んだ。スカラ場の可視化においては,研究代表者が行ってきた既存研究である微分位相解析に基づくパラメタ値設定法を導入した。これにより,ユーザが試行錯誤的に可視化パラメタ値を決定していた従来法よりも,高精度かつ効率的にデータの特徴を強調した可視化結果を得ることができる。ベクトル場の可視化においては,速度場から特異点解析をし,渦中心となりうる点の周囲を強調して可視化する方法を導入した。しかし,3次元データなどでは処理に時間がかかるため,高速化や別の手法の導入等も検討する必要がある。情報可視化では,多変量のデータの可視化方法として平行座標系,階層型データの可視化方法としてツリーマップ,ネットワークデータの可視化方法としてネットワーク図を導入した。情報可視化と科学技術データ可視化を連携するためには,物理的な空間に意味のあるデータは科学技術データの可視化を用い,データ全体は情報可視化を用いて表現する必要がある。しかし,データのヘッダ情報だけではそれらは判別できないため,ユーザがどの成分を用いて科学技術データの可視化を行い,どの成分の情報可視化を行うのかをシステムから入力できるようにする予定である。また、データによってフォーマットが異なるため統一的なフォーマットを作成する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では,該当年度までに情報可視化と科学技術データ可視化を連携する予定であったが,現在システムの開発途中である。しかし,これはプログラミングに要する時間が不足していたためであり,今後の研究遂行に特に問題はないと思われる。また,平成28年度に研究予定の履歴管理環境の開発は,別システムでプロトタイプの開発を終えているため,情報可視化と科学技術データ可視化の連携,および,履歴管理環境の開発を平成28年度に行うことは可能であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,平成27年度に完了しなかった情報可視化と科学技術データ可視化の連携を行った後,可視化履歴の一括管理機能を構築する。また,実データを適用し,本システムの有効性を検証する。 情報可視化と科学技術データ可視化の連携では,情報可視化で選択した内容が科学技術データ可視化の画面で強調表示されたり,その逆のことができるようにする。これにより,科学技術データ可視化で表示されているデータが,表示されている以外にどのような特性を持っているかを情報可視化画面から把握することができる。可視化履歴の一括管理機能では,可視化処理の過程および最終的な可視化結果,それによって得られた知見を関連付けて保存する。また,それらを再利用できるような機構についても検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は勤務先の異動があり、授業や大学行事などの状況が十分に把握できていなかったため、国内会議や海外学会への参加を見送った。また、研究の遅延から物品の購入手続きが年度内にできなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、授業日程や補講日などを考慮した上で、国内会議や海外学会での成果発表を予定している。また、平成27年度に購入予定だった物品(DELL XPS8900, Oculus Rift)については、速やかに購入手続きを進める予定である。
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