研究課題
大規模な計算環境が比較的容易に使える状況が実現されている。大規模環境ならではの計算方法の一つに連成・連携計算があり、近年活発に研究開発がなされている。その一方で、既存の独立した数値シミュレーションにおいても可視化を代表とするポスト処理でのファイルI/Oが新たなボトルネックとして問題になってきている。これはI/Oベースの連成計算が抱える重要な問題であるが、有効な解決策は未だ研究開発の途上である。本研究課題の目的は、大規模な連成計算において「要素技術の核になる通信スキーム」を研究開発することにより、(1)多拠点間連成計算の要素技術を整理すること、(2)既存の単体の数値流体計算において、数値計算とポスト処理をファイルI/Oを経由せずに連成させることにより、数値シミュレーション研究全体のボトルネックを解消すること、である。3年目で、最終年度である平成28年度は、前年度までの研究開発結果に基づいて、ポスト処理連携の多拠点化対応についての研究開発を進めて実証実験を行った。具体的には、研究代表者などがエアリード楽器の発音機構解明のために行っている数値流体音シミュレーションに用いている OpenFOAM を対象にして、主に以下の二項目を実証実験まで進めた。前年度に試験実装したソケット通信を受け持つ通信ライブラリである nstdio (連携研究者の森江(九大)が開発実装)を用いてポスト処理連携のプロトタイプ実装とテストを行った。また、ポスト処理連携の多拠点化対応は、EGCPOP (連携研究者の實本(東工大)が開発実装)を用いてプロトタイプ実装とテストを行った。当初の計画では、OpenFOAM の Fstream クラスを拡張して実装する予定であったが、テスト環境と扱うデータ量との兼ね合いから OpenFOAM の functionObject として実装を行なった。概ね研究目的を達成した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件)
The Journal of the Acoustical Society of America
巻: 140(4) ページ: 3037-3037
10.1121/1.4969427
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IEEE 36th ICDCS
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