研究課題/領域番号 |
26330148
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小栗 清 長崎大学, 工学研究科, 教授 (80325670)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ステレオビジョン / グラフカット / GPU / FPGA / カメラキャリブレーション |
研究実績の概要 |
GPUを使用して開発してきたステレオビジョン用グラフカットアルゴリズムを元に,今年度はFPGA向けグラフカットアルゴリズムの開発を開始した.入手できる中で最大の内部メモリを持つFPGA(Xilix 7VX690T-1)を1個搭載した米国Dini社製のFPGAボード(DNV7F1A)を導入し,当方で長年開発してきたFPGA設計ツールPARTHENONへ接続した.その後,FPGA用のグラフカットアルゴリズムの開発を開始したが,まだ満足のいく結果は得られていない.なによりもFPGAボードとCPUとのリアルタイム連携部分が未完成で,実験の効率が上がらない. 一方,これまでの注視ステレオから一般に使われている平行ステレオへカメラの配置を変更し,カメラの選定とキャリブレーション法の検討を開始した.12月に行われた国際画像機器展を見学して学会では分からないビジョン研究の現状と工業用カメラの視察を行った.この中で,WEBカメラのようにコンピュータに容易に接続できるカメラはWEBカメラしかないことに気づかされた.工業用カメラは工業カメラ業界独自のインターフェースとなっており,たとえばドイツThe Imaging Source社のカメラはWindowsのダイアログアプリが推奨で,C言語ではmain関数から始まるコンソールアプリは営業サポート外とのことである.これではCUDAやOpenGLやOpenCVと組み合わせて使うことができない.ドイツImaging Development Systems社のカメラではmain関数から始まるプログラムが想定されており,Windows10-64ならびにUbuntu14.04LTS-64でCUDA,OpenGL,OpenCVと連携させることができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
設計環境の接続に時間を費やした.Dini社の開発環境に用意された例が複雑すぎたため,エッセンスを抽出するのに時間を要した.Dini社に限らず自分の環境を押し付けるものが多すぎる.全くゼロから始める場合はそれでよいが,ユーザがすでに十分な開発環境を持っている場合には両社の接続が大変になる.特にFPGAボードとCPUとのリアルタイム連携機能は実現できておらず,さらなる時間が必要である.
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今後の研究の推進方策 |
FPGAボードとCPUとのリアルタイム連携はあきらめて,目標を実験データの取得のみに絞り込むことにより,当初の目的を果たしたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
Dini社製FPGAボードの利用開始に必要な作業に時間を必要とし,次のステップに進めなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
必要な消耗品の購入と学会発表に使用する予定である.
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