本年度は,昨年度までに作成した2次対数美的曲線をG^1及びG^2 Hermite補間に適用することを主たる目的とした. G^1 Hermite補間補間は,両端点とそこでの接線できる三角形(両端点と両端点での接線方向を含む直線の交点できる三角形)と相似になるような曲線上の三角形(曲線上の2点とその2点での接線方向を含む直線の交点できる三角形)を見つける問題に帰着できる.相似な三角形は2角が同じであれば良いので,一つの角(具体的には方向角の変化)を固定して,曲線上でもう一つの角がどのように変化するのかをグラフ化するプログラムを作成した.このグラフから,局所的な極値がある(従って,G^1 Hermite補間が一意に求まらない)ことが分かった.G^1 Hermite補間は,この極値で区切ることによって,対数美的曲線と同様な手法が適用可能となる.G^2 Hermiteに関しては,2次美的曲線のパラメータ(α,β,Λ)を様々に変化させ,方向角を固定した時に,両端点の曲率がどのように変化するのかを調べることを行った.しかし,この結果は予想ほど広い範囲の曲率をカバーできるものではないことが分かった.この原因は,(理論的な問題ではなく)恐らくは浮動小数点形式のダイナミックレンジの問題にあるのではないかと考えている.この結果を踏まえ,対数美的曲線の曲率を多項式曲線で表現し,この曲線の中から曲率変化の単調性を満たすもの,曲率対数グラフが直線に近いものを見つける方法もあるという考えに至り,理論構築と基礎的な実装を行った.また,Ziatdinovらのsectrix of Maclaurin segmentについて,Rushan Ziatdinov及びTae-wan Kimらと共同で,描画可能領域の解明などの性質解明に関する研究も行った.
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