研究課題
2016年度は世界的なUBERの普及に合わせて、自動運転元年と言われるぐらいに国内でも非常に注目される年となった。自動運転は、いずれもドライバーに運転責任がある「レベル2」にとどまり、ドライバーは自動運転時にも安全運転に配慮する義務を負う。また「レベル3」ではアクセル、ブレーキ、ハンドルの全ての操作が自動で行われ、事故時の運転責任は原則としてシステム側が負うことになる。基本的にはドライバーが運転操作に関わる必要はなくなるが、システム異常など緊急時に操作する義務が生じるため、ドライバーの責任がなくなるわけではない。自動運転の例をとって見ても、自動車そのものが発信する情報のセキュリティを意識することは今や最重要かつ喫緊の課題であると言える。本研究課題では、ITS(Intelligent Transporting System)に着目し、ITS上でより強度な安全性を提供するための暗号ミドルウェアの確立を目指しテイル。具体的には、自動車のような計算環境の制約された中で、高速に暗号処理を実現するための機能を検討する。その手段として、楕円曲線上の数の集合で定義される体から構成されるペアリング演算に注目し、一般的に計算処理負荷が大きくなるとされるモジュール部分を車載向けに軽量化したアルゴリズムを確立する。さらにその有効性を評価するに実機に実装し評価をし、今後の自動車システム全般に対してセキュリティ・プライバシ保護の1要素として導入されることを目指した研究である。その成果をまとめ、国際会議及び論文誌に投稿し、採録された。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics Communications and Computer Sciences Special Section on Cryptography and Information Security
巻: E100-A ページ: 62, 72