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2016 年度 実施状況報告書

発達障害研究を通した言語認知機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26330175
研究機関京都大学

研究代表者

松橋 眞生  京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40456885)

研究分担者 加藤 竹雄  京都大学, 医学研究科, 助教 (60422945)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード言語認知 / 発達障害 / ウィリアムズ症候群 / プロソディー
研究実績の概要

A. 意識下でのミスマッチ型課題を用いた健常者の音程認知に対する、音程変化文脈の影響を解析しました。本研究のために作成した800ミリ秒の楽音(基音及び複数の倍音を含む音)による刺激音列を作成し、被験者が注意を向けない状態で1200ミリ秒ごとに両耳に提示しました。提示された刺激音のうち7割を標準刺激、残りを2種類の逸脱刺激としております。標準刺激からの逸脱の向き(高低)、およびピッチ変化の様式を複数種類与えることでピッチによる影響とプロソディーによる影響とを区別するようになっています。306チャンネル全頭型脳磁計を用いた20名の計測結果から不適切なものを除外して加算平均し左右半球それぞれで、逸脱反応の信号源を推定したところ、ピッチによる影響ではなくプロソディーとより関連した変化方向による効果が有意に大きいことが示されました。なお、本解析のような微小な差異を可視化するための解析法としてTSI法を開発し、まずはより大きくわかりやすいてんかん棘波についてその信頼性の検討をしています。
また、同様な音刺激を用いた行動実験を行い、ピッチの変化量を脳磁図記録で用いた条件からより小さいものまで複数段階で正答率を計測したところ、脳磁図実験と同じ変化量であれば有意な差は認めず、より小さい変化量の時に、ピッチの変化の向きによる正答率の差が最大となった。この結果は健常人で非意識下においても文脈依存の音程識別がなされていることが行動・電気生理の両面で示されたものであり、学会にて発表を行い現在投稿準備中です。


B. 項目Aの結果を踏まえウィリアムズ症候群による患者における音程・言語認知機能研究の準備を進めています。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

前年度の遅れのために本年度は本来昨年度に行う計画であった内容の残りを実施しました。そのため、本年度行う計画であった内容のうちウィリアムズ症候群の患者における記が終了しておりません。

今後の研究の推進方策

項目Bについて、項目Aの結果をもとにウィリアムズ症候群による音程・プロソディー認知の特徴を探ってゆきます。

次年度使用額が生じた理由

前年度の遅れのためもともと本年度に行うはずだった内容が終了しておらず、患者の記録が終了していないため補助事業期間の延長を申請いたします。

次年度使用額の使用計画

当該年度の結果の取りまとめ・発表および当該年度に行えなかった記録及び解析の実施のための人件費・消耗品の購入に充当する計画です。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Magnetoencephalography with temporal spread imaging to visualize propagation of epileptic activity.2017

    • 著者名/発表者名
      Shibata, S., M. Matsuhashi, T. Kunieda, Y. Yamao, R. Inano, T. Kikuchi, H. Imamura, S. Takaya, R. Matsumoto, A. Ikeda, R. Takahashi, T. Mima, H. Fukuyama, N. Mikuni, and S. Miyamoto,
    • 雑誌名

      Clin Neurophysiol.

      巻: 128 ページ: 734-743

    • DOI

      10.1016/j.clinph.2017.01.010

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Preattentive Detection of Pitch Change Direction2016

    • 著者名/発表者名
      Keiko Saito, Masao Matsuhashi, Tomonari Awaya, Takeo Kato, Tatsuya Mima, Akio Ikeda, Hidenao Fukuyama, Toshio Heike
    • 学会等名
      2016 Neuroscience Meeting
    • 発表場所
      San Diego, CA
    • 年月日
      2016-11-13
  • [学会発表] 聴覚刺激のピッチ変化方向の異同は前意識下で検出されている2016

    • 著者名/発表者名
      齊藤 景子、松橋 眞生、粟屋 智就、加藤 竹雄、美馬 達哉、池田 昭夫, 福山 秀直、平家 俊男
    • 学会等名
      第46 回日本臨床神経生理学会学術大会
    • 発表場所
      福島県郡山市
    • 年月日
      2016-10-29

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公開日: 2018-01-16  

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