主な研究成果は下記の3点である。 判例分析の結果から、被害者、被告人のいずれか一方の視点を重視して量刑を下す傾向が、量刑格差の一因となる可能性が示唆された(研究1)。模擬裁判実験の結果から、市民は自身の思考や立場により近い対象に共感をおぼえる傾向にあり、共感性が量刑に影響を及ぼすことが示された。評議体の裁判員の個人特性の偏りは,量刑に幅が生じさせる可能性がある(研究2)。さらに模擬裁判実験の結果から、事案によっては、“犯情”で量刑の大枠を決め、“一般情状”を考慮して量刑を決定(2段階で量刑を決定)する方法が、量刑格差を小さくする可能性が示唆された(研究3)。
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