研究課題/領域番号 |
26330180
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
岩城 達也 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (70341229)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 不快感情 / プロテクティブ・フレーム / 心理生理計測 / リアルタイム評価 |
研究実績の概要 |
昨年度に実施した実験では提示した不快刺激動画が4種類に限られていた。今年度は昨年度の知見を一般化することを目的に、刺激動画を10種類に増やした。動画数を増加させることで、個々の刺激動画の特徴よりも、共通した動画のフィクション性の違いがプロテクティブ・フレームとして機能するかを検証した。刺激動画は恐怖及び嫌悪感情を喚起する不快刺激であり、予備検討を通じて、フィクション性が異なるものを選定した。実験参加者はすべての動画を視聴し、各刺激動画に対して質問紙による主観感情、ノブ型装置を用いたリアルタイム感情変化、さらに、脳波及び心電図を記録した。動画視聴後の質問項目得点を分析すると、フィクション評価が高いほど快得点が高く、同時に、「本編を見たい」「面白い」といった項目の得点も向上し、フィクション評価がポジティブ感情につながることが確認された。反対に、「嫌悪」「怒り」の評価は、フィクション評価と負の相関関係を示した。感情のリアルタイム評価(「動画を見続けたい」)は、フィクション評価が低い動画では、時間進行に応じて一方向に下降しネガティブ感情が蓄積されていったが、フィクション評価が高い場合は、変動を繰り返しており、ネガティブ感情が所々で解消されていた。生理評価は心拍数と怒り評価との間に正の相関がみられ、不快動画からくる怒り感情と関係することが分かった。以上の結果は昨年度の結果をあらためて支持し、フィクション評価を通じて、プロテクティブ・フレームの機能を検証できたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
記録した脳波データの分析結果についての検討に時間がかかっている点で、その分が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新たに研究分担者を加え、研究結果の公表を急ぐ。また、脳波分析のワークフローを確立し、アルバイト雇用の学生でも分析に従事できるようにする。
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