今年度は、道路走行環境のように特徴の乏しいシーンにおいても頑健にカメラ運動を推定することを目標として、ディープラーニングを用いてStructure from motionの頑健性を向上させる手法の開発に取り組んだ。従来の多くの手法では画像上の特徴点を抽出し特徴の対応関係からカメラ運動とシーン構造を推定するが、空や道路などのように画像上に特徴の少ないシーンでは特徴点を検出できず推定に失敗することがある。本研究では、畳み込みニューラルネットワークを用いて2 枚の入力画像から直接カメラの相対運動を推定する手法を提案した。加えて、畳み込みニューラルネットワークで計算した特徴量を Long Short-Term Memory (LSTM) に入力することによって時系列画像における過去の情報を考慮したカメラの相対運動を推定する手法についても提案した。ネットワークの学習に必要なデータとして、シミュレーションによるCG画像を用いることでもカメラの運動が推定可能であることを示した。この成果については、国内研究会において口頭発表を行った。
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