研究課題/領域番号 |
26330212
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
徐 剛 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90226374)
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研究分担者 |
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
韓 先花 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (60469195)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 画像認識 / 医用画像処理 / 3次元 / アラインメント / 変形 / ボリュームデータ / CT / MRI |
研究実績の概要 |
平成26年度において実装する計画であった以下の4つのモジュールは全て実行した。1.ピラミッドを用いて探索数を減らす、2.並列計算を活用する、3.ディスタンスフィールドを作成し使用する、4.3次元空間における回転を等間隔でサンプリングし探索に利用する 1.ピラミッドを用いてボリュームデータを異なる解像度に段階的に圧縮する。探索は一番解像度の低い段階からスタートし、解が見つかったときにのみ、その解の周辺でより高い解像度のボリュームデータの探索を続ける。その実装の結果、高速化を実現した。 2.複数のPCによる並列計算、マルチコアによる並列計算、GPUによる並列計算、SIMDによる並列計算のうち、今年度は、マルチコアによる並列計算を実装した。 3.解候補の評価の高速化にディスタンスフィールドを活用した。一度作成したディスタンスフィールドは、毎回解候補を評価する際に活用できるため大変有用である。3次元では、より作成時間がかかるため高速なアルゴリズムが必要である。複数調査を経て、最速なアルゴリズムを選び実装した。 4.3次元空間における回転には3自由度があるが、Homogeneousな空間ではなくオイラー角などをそのままサンプリングすると、密度が場所によって異なり、探索効率が悪くなる。そのため、均一なサンプリングができるようにHEALPixという表現を用いて、回転をまず球面の等間隔サンプリング問題とする。次に、球の中心から球面上のサンプリング点に向かうベクトルを軸として、その軸回りの等間隔回転を表現することによって、3次元空間における回転表現を用いる。更に34個の肝臓モデルに対して対応付けを行い主成分分析を行った。その結果、90%の変形をカバーできる主成分を選ぶことができた。 以上を実装した上で、臓器モデルを回転並進しながらボリュームデータの中で最適な類似を探し、非常に良い結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で記述した通り、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、拡大と縮小及び変形について研究を深める。現段階では、拡大縮小及び変形を表すパラメータは、スケーリング・主成分分析の結果である変形・TPS (Thin Plate Spline)で表される変形まで含む。既に実装した回転並進に加えて、①拡大縮小+主成分変形、②TPSによる変形の2つの変形の表現があるが、前者は、少ないパラメータで90%の変形が表現できるメリットがある一方、変形の100%を表現できないというデメリットがある。それに対してTPSは、変形に対して100%表現できるメリットがある一方、パラメータが多くなり、探索の効率化の問題が残るデメリットがある。以降は、上記の二つのアプローチについて勉強を深め、高速にかつ確実に臓器の3次元認識を行える方法を見つけ、実現していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、要素技術の開発を主に行いシステム統合と高速化は翌年度に予定したことに加えて、超高性能コンピュータの購入を翌年度に回した方がより高性能なコンピュータを買える見通しとなったため、当初の購入計画を早期の段階で変更した。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度中に、申請当初に計画をした超高性能コンピュータを購入する予定である。
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