研究課題
膨大な情報を要する立体映像メディアは、各種デバイス等の制約を越える品質向上手法が強く求められる。平成28年度は、平成27年度までに明らかにした立体映像情報の冗長性を的確に活用するフィルタ処理に関する成果をもとに、まず、単なる雑音にとどまらない様々な劣化の抑制あるいは高品質化への展開を可能とする、柔軟な拡張と体系化を検討した。あわせて、大規模な実画像情報に対応しうる効率性を明確にするため、提案する品質調整の枠組をリアルタイムに実現する映像システムの構築により実証的検討にも取り組んだ。実際、平成27年度までに得た立体映像情報の冗長性の活用に基づく品質劣化抑制は、雑音抑制のみならず、デモザイキング等を含めた欠損画素、欠損視点の復元問題にも適用可能であり、これらを統一的に展開する枠組の検討を行った。その際、冗長性の活用は劣化抑制を越え、超解像、視点補間といった高品質化処理までも有意に達成しうることを示し、既知の焦点ボケの調整と合わせ、立体映像情報の品質調整技術として体系的な理論へと総合をはかった。加えて、このような総合的な枠組を自由視点環境などで活用することを想定し、簡便な実装を容易とする提案手法の特徴を発展させ、多数の視点の高速な復元手法等を示し、表示系を含む映像システムのプロトタイプの構築を行った。これにより、本研究課題で示された立体映像情報に対する様々なフィルタ処理の体系は、当該情報の冗長性に基づく品質調整に実用的な効率性を与えるものであることを実証的に確認した。
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