研究課題/領域番号 |
26330221
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
齋藤 ひとみ 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00378233)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 擬人化エージェント / ヒューマン・コンピュータ・インタラクション / エージェンシー認知 / 対人コミュニケーション / ウィザード・オブ・オズ法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,人が擬人化エージェントを介して他者とインタラクションする場合において,(1)エージェントの操作者は自分の意思や考えをエージェントを利用してどのように表現するのか,(2)エージェントとインタラクションする対話者は操作者の意思や考えをどの程度正確に把握できるのか,を明らかにすることである。平成26年度は,この目的の達成に向け,文献調査および実験環境の整備を中心に行うことを目標として研究を進めた。 ・文献調査 本研究では,エージェントを人が操作する実験手法であるWOZ法(Wizard of OZ method)を採用する。そのため,WOZ法を使った先行研究についての文献調査を行い,使用している実験環境や実験課題を整理した。 文献調査の結果,WOZ法を使った研究の課題として,操作者がエージェントやロボットを操作して,エージェントやロボットとインタラクションをする実験参加者に対して何かを指示して作業をしてもらう課題が多く見られた。本研究の場合は,操作者に何らかの意図をロボットやエージェントを介して伝えることが目的となるため,どのような意図を伝える課題にするかを検討した。 ・実験環境の整備 本研究では,ロボットの遠隔操作を行う実験および,ソフトウェアエージェントの遠隔操作を行う実験を実施する。まずロボットの遠隔操作を行う実験環境の構築に向け,使用するロボットを選定した。ロボットの要件として,実験で使用する動作の登録ができること,操作自体はリモコンやPC上のソフトなどから可能であることなどが求められる。平成26年度はロボットに必要な要件を整理した。次にソフトウェアエージェントの遠隔操作を行う実験環境の構築については,ロボットと同様に,エージェントの動作を自由に設定する必要がある。そこで,MMDやMMDAgentを使用してソフトウェアエージェントを作成することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度は,文献調査および実験環境の整備が目標であった。しかし,研究遂行において,計画書の提出後に予定外のプロジェクトの担当者となったため,本研究課題に割り当てる予定の作業量を十分に割り当てることが出来なかった。そのため,実験環境の整備については,予備実験に進める段階まで十分に進めることが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,平成26年度に整備した実験環境を用いた予備実験および本実験をすることを目標としていた。しかし,実験環境の整備に遅れが生じたため,実験環境の整備および,実験方法の検討および予備実験の実施を行うことを第一の目標とし,それらが完了しだい,本実験の実施を進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に遅れが生じたため,実験環境の整備に関わる予算を十分に使用することができなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額を含め,平成27年度の研究費の使用計画は以下のとおりである。まず物品費として,最新の研究動向を収集するため,書籍および論文を購入する。実験環境の整備に関わる経費として,擬人化エージェントとして操作可能なコミュニケーションロボット,ソフトウェアエージェントの作成に必要なソフトウェア,簡易的な小型実験室を購入する。実験に関わる経費として,ソフトウェアエージェントと実験参加者がインタラクションするためのディスプレイ1台およびエージェントの操作者が使用するノートPCを1台購入する。次に人件費・謝金として,実験参加者および実験・分析補助者への実験謝金に使用する。また,ソフトウェアエージェントのキャラクターデザインを依頼するための人件費にも使用する。さらに旅費として,研究の中間段階での成果報告および最新動向の把握のため,国内の学会への出張費用に使用する。
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