研究課題/領域番号 |
26330227
|
研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
水野 文雄 東北工業大学, 工学部, 准教授 (20432289)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ウェアラブルテクノロジ / ヒューマンインタフェース / ディスプレイ / バーチャルリアリティ |
研究実績の概要 |
カメレオンをはじめとする多くの生物は、身体的な特徴構造や運動機能により、全方向にわたる周辺環境情報から必要な情報を巧に抽出し生活を営む。そこで申請者らは、ユーザがカメレオンのようにユーザの指向する任意の方向の独立した視野を両眼に与える着用可能なシステム「バーチャルカメレオン」の開発を行いその評価を行ってきた。生物の感覚能力はヒトのそれを凌駕している部分があり、バーチャルカメレオンを用いても特別なスキルの習得やマルチタスク能力が優れる必要があると考えられた。カメレオンをはじめとする特異な知覚行動をとる生物は、知覚能力だけで無くその身体構造も、知覚行動に適した状態であり、生活環境に起因する知覚情報に対するアウェアネスの感度も高いと考えられる。そこで本研究では、異なる方向の同時知覚が可能な生物が有する特徴的な身体構造や運動機能に着目し、彼らが周囲の環境に存在する主な知覚情報である音・光などに基づく多感覚情報を物理的にどのように受容しているかを解明し、ヒトの知覚特徴と融合し、異なる複数の事象に対する同時知覚および行動を可能とするマルチタスキング能力向上を図るウェアラブル技術の開発を目的とする。 初年度は、従来のシステムでは、両手に把持する必要があり、使用時にユーザに対して混乱を与える可能性のあった3次元位置センサや小型トラックボールなどのセンサ類を排除し、画像処理を用いるナチュラルインタフェースへ置換することにより操作系の見直しを図った。これにより、センサに由来する不安定動作を軽減とカメラアングルの可動域を拡大することができた。また、ユーザの骨格、指および音声もセンシングすることが可能であるため、従来と比較して操作インタフェースの拡張を行う際の開発期間の短縮と開発装置の簡略化が可能となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究のシステム開発の過程において、操作インタフェースの拡張を行ったところ、その使用方法によっては従来システムに単純に適用した場合でも本研究の目標である視覚情報量の増大と応答時間に影響を与える可能性が高まり、検討項目が追加されたため。これに伴い、開発遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究におけるシステム開発過程において追加の検討項目が生じてしまったため、計画の遂行が充分に実施できているとは言えない状況である。従って、今後の研究遂行においては、計画時に想定されていた開発項目の整理を行い、また、検証過程においても、増大してしまった検討項目についても整理した上で計画を遂行することになる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究の目標達成に向けた検討事項の増大に起因する計画遂行の遅れに伴い、聴覚情報提示デバイス開発に使用する装置等の購入計画にも遅れが生じているため。
|
次年度使用額の使用計画 |
本研究の目標達成に向けたシステム開発を行うため、研究計画に従うよう物品費購入費と、成果発表を行っていく予定である。
|