研究課題/領域番号 |
26330235
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菊池 英明 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70308261)
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研究分担者 |
宮澤 幸希 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (90631656)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ヒューマンコンピュータインタラクション / 印象形成 / エージェント / 対話システム |
研究実績の概要 |
「エージェントに対する印象が個人間でどのように異なるか」を明らかにするために、 どのような実験デザインが必要かの議論と、先行研究調査を行った。本研究はエージェントに対する印象空間に基づき、被験者を分類する個人差研究であり、また、人に対する印象空間よりも、エージェントに対する印象空間の方が多様であると仮説を立てている。これを明らかにするために、制御要因は対話相手がエージェントのとき・人のときの2条件とし、被験者の体験の質や、対話行動の自由度を制限するために、神経衰弱ゲームを対話相手と一緒に解くタスクを設定した。 実験方法を検討し、対話相手のみを制御し、被験者が対話相手にどのような印象を抱くのかを行動・印象の観測因子から分析することにした。また、被験者が対話相手に対して抱く信頼感・親密感は、提案受諾率、応答アイコン、応答速度などの観測因子で測定することにした。以上の実験仕様を決め、年度後半は実験用のアプリケーションを開発した。さらに、被験者を分類するための性格特性アンケートの詳細、どのような対話が対話参加者の「信頼性」「親密性」を高めるかの知見の検討を行った。 交付申請書では「平成26年度の前半は、聞き手のインタラクション欲求を高める話し手の発話内容や言語的・音響的特性を明らかにするために、まずは人同士の対話収録実験を行う。」と記したが、人同士の実験の位置づけを変えて、エージェントと人との対話実験の比較対象として平成27年度に実施することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画を立てるにあたって充分に時間をかけて先行研究調査を行った。 その結果、計画時点よりも効果的な実験方法を採用できるに至った。 当初初年度に予定していた実験を、位置づけを変えて2年目に実施することにしたが、既に実験デザインは決定できており、計画の遅れにはならない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度前半は、音響的・言語的特性を制御した MEエージェントとユーザの1回目の対話実験を行い、後半はユーザの印象空間の分析を行う。ユーザが人に対して、MEエージェントとは異なる印象空間を抱くという仮説を検証するために、MEエージェントとユーザに加えて、ベースラインとして人とユーザの実験も行う。 28年度は2回目の対話実験を行い、ユーザの印象空間を変化させられる MEエージェントの要因を調べる。また、それまでの研究を総合し、ユーザの印象空間と MEエージェントの要因の関係をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた実験を実施しなかったため、人件費・謝金の費目の残額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に実施する予定であった実験の位置づけを変えて平成27年度前半に実施するため、人件費・謝金として使用する予定である。
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