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2014 年度 実施状況報告書

代替現実感システムを利用した深い没入感を有する訓練システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 26330237
研究機関甲南大学

研究代表者

田村 祐一  甲南大学, 知能情報学部, 教授 (50311212)

研究分担者 梅谷 智弘  甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10397630)
中村 浩章  核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (30311210)
久米 健次  奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (10107344)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード代替現実感 / バーチャルリアリティ / ジェスチャ認識
研究実績の概要

1、深い没入感をもつ訓練用代替現実感システムの構築
初年度は代替現実感システムの構築を進めた.理化学研究所で開発されたオリジナルのSRシステムでは,全方位カメラは,後に体験するユーザーの視点位置とほぼ一致させるように配置し,全方位カメラの近傍には人はいない,つまり過去映像において,全方位カメラの近傍に人は映り込まないという条件の元に構築されている.一方,今回研究を行っている訓練システムでは,過去映像が指導者の作業や自らの過去の作業を映したものであるため,作業を行っている様子を全方位カメラで撮影した際に,本人が映りこんでしまうという問題が発生する.初年度は,頭の方向により,自動的に現在映像に切り替える方法を適用した.切り替える位置により,現在映像と過去映像にずれが生じている問題があるものの,調整によりかなり自然に切替が行えていると考えている.

2、高精度な手の動き情報取得および動きの意味認識技術の基礎検討
SRシステムでは,過去映像を提示したとき,原理的に自らの体を見ることができないため,過去映像と気付いた途端,急激に没入感が損なわれてしまうという問題がある.そこで,この問題に対処するために,手の動きを取得し,取得した形状データを過去データに重畳することで解決する方法の検討を進める.手に装着物をつけることなく,手形状を取得することが理想的であるが,まずはデータグローブを使用して,手形状を計測することを検討した.
結果,データグローブ領域を取得し,その部分をCGで現実モデルに重畳するシステムの構築を行った.また,当初計画では2年目に行う予定であった手に装着物無しで代替現実映像に重畳する検討も一部前倒しして行い,実映像を代替現実映像に重畳することも実現した.しかし,一部光の状況等によってノイズが発生しているため,この部分の対応が今後の課題である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1、深い没入感をもつ訓練用代替現実感システムの構築
本項目に関しては,初年度の予定をほぼ達成することができた.切替方法についても提示する環境,特に色々なものが置かれている環境下でユーザーに気付かれることなく,切り替えることは原理上かなり難しいが,均一な背景をもつ環境下ではかなりスムーズに切り替えることが可能となった.

2、高精度な手の動き情報取得および動きの意味認識技術の基礎検討
本項目については,初年度はデータグローブを用いた認識および代替現実感システムへの映像重畳を目的としていた.本目的については達成し,システムに導入することができた.さらに当初次年度以降の目的であった手に何も装着せず認識させる手法についても一部着手し,周囲環境によってはノイズが入ることがあるものの,ある程度実現可能となった.

今後の研究の推進方策

1、ジェスチャ認識手法の検討
初年度の基礎検討をもとに,詳細な手の動き解析の検討を進める.解析の目的は,指導者の手の動きとユーザーの手の動きの差異を定量的に計測し,相違点を明確にすることで,作業における重要な動きや注意点などを明確にすることである.本研究では,多くの研究で用いられている確率モデルを利用したものではなく,よりパラメータの少ないモデルの適用を検討する.確率モデルを利用する手法は,多くの学習を行うことにより,高い精度が得られることが期待できるが,パラメータが多く,最適値が求めづらい場合があることや,ユーザーによって教師データを変更する必要がある場合があるためである.本研究では,Singular Spectrum Analysis (SST)を使った解析手法の検討を行う.SSTは決定しなければならないパラメータが時定数に対応するようなもののみであるため,確率モデルと比較して,パラメータ決定が容易であるという利点がある.手情報は初年度と同様データグローブによるデータ取得からはじめ,様々な非装着型センサも検討し,精度が保証されるか否かの検討も併せて進めていく.

2、映像取得に関する研究
静止状態での全周映像の取得については達成できたため,動きがある状態での映像取得に関する検討を進める.静止状態とは異なり,移動には時間経過と共に位置の変化が伴う.どのような形で時間情報及び位置情報を同時に保存していけばよいのかの基礎検討を進める.

次年度使用額が生じた理由

当初予定の打ち合わせに関する旅費を計上していたが,時間的な制約によりテレビ会議により行った.また,研究に用いるコンピュータシステム等について,すでに所持していたコンピュータを流用することができた.

次年度使用額の使用計画

今回設備の予算を繰り越せたため,より高速なコンピュータの導入を計画している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamic Gesture Classification using Skeleton Model on RGB-D Data2014

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Tamura, Tomohiro Umetani, Naoya Kashima and Hiroaki Nakamura
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Conference Series

      巻: 490 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1088/1742-6596/490/1/012103

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Interaction Visualization System to Analyze Corrugated Millimeter-Waveguide Component of ECH in Nuclear Fusion with FDTD Simulation2014

    • 著者名/発表者名
      Naoya Kashima, Hiroaki Nakamura, Yuichi Tamura, Atsushi Ito and Shin Kubo
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Conference Series

      巻: 490 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1088/1742-6596/490/1/012179

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Classification of finger movement using singular spectrum transformation2014

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Tamura
    • 学会等名
      International Conference on Mathematical Modeling in Physical Sciences
    • 発表場所
      Madrid, Spain
    • 年月日
      2014-08-30 – 2014-08-30

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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