本研究では,史跡等の屋外展示施設においてスマートフォン等の携帯端末及び拡張現実技術を利用して展示物の情報提示を行うシステムの開発を目指し,対象物体の色及び輝度勾配方向の出現頻度を用いた高速な特定物体検出手法(情報提示に必要な位置合わせ)の提案・開発を行った.提案手法は,日照変化,経年変化等屋外において顕著に発生し物体検出の精度低下の要因となる環境変化に対してロバストかつ高速に物体検出を行うことが可能である.また,現在さまざまな研究が進められている深層学習を用いた手法と比較して事前学習に必要な時間を大幅に短縮でき,スマートフォン等計算能力の劣る環境においても実用的な速度で実行可能である.
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