研究実績の概要 |
当該年度に発表した業績のうち、主要なものを要約する。Hiroyuki Akama, Brian Murphy, 2016. Emerging Methods for Conceptual Modelling in Neuroimaging, Behaviormetrika, Springer, DOI: 10.1007/s41237-016-0009-1この論文は、意味処理、言語切替をターゲットに、MVPA研究を総括、この分野全体を俯瞰し、さらにここ1、2年の劇的な展開もフォローしたreview論文を発表した。Shunji Awazu, Akio Suzuki, Hiroyuki Akama, (2016). Mental simulation during comprehension of English and Japanese action sentences in English learners. 31st International Congress of Psychology (ICP2016), Yokohama. PS25P-13-323. この研究においては、日本人の英語学習者を対象に、外国語である英語の動作表現文の意味処理においても、身体性意味論が主張するように、心的シミュレーションに対応する脳の部位の賦活が認められた。 2017年度は、本研究テーマの「形態測定学」の中に、新規に導入した「安静時機能連結(RSFC)」を導入し、そのデータ解釈の必要上、言語学習脳の高次機能だけに限定することなく、言語活動とその神経基盤を共有し(乗り入れ)ている低次の知覚・運動系まで射程に取り入れ、発展的に研究を展開した。具体的には、安静時機能連結のfMRIデータを収集し、感覚・運動・言語の刺激に応じて、介入以前以後のネットワーク変容を解析する最適な手法を開発を進めた。我々は、口腔制御と言う点で言語機能、特に発話機能と神経基盤を同じくする嚥下にも着目し、鍼刺激による介入を挟んだ時系列の「安静時機能連結(RSFC)」変化を見るfMRI実験をおこなった。結果は、介入前後の「安静時機能連結(RSFC)」測定において、いくつかの脳領域で、ネットワーク理論指標の有意な変化が見られた。この結果は現在国際学術論文に投稿する予定で執筆中である。
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