研究課題/領域番号 |
26330247
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鈴木 良弥 山梨大学, 総合研究部, 教授 (20206551)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 論調分類に関する研究発表 |
研究実績の概要 |
研究課題「語感に基づく論調把握と文書要約への適用」に関して,平成27年度は特に論調タイプの体系化・分類に取り組んだ. 論調タイプの体系化と分類に関する研究をまとめ,2編の国際会議論文を発表した. 1編目のOpinion Extraction from Editorial Articles based on Context Information(前後の文の情報を利用した新聞社説の主張抽出手法を提案した論文 2015/11 KEOD2015)において,新聞社説での著者の論調を4種類に分類し,社説内の各文に対して,1文だけでは無く前後の文の情報も利用して論調の分類をする手法を提案した. 2編目のOpinion Extraction from Editorial Articles based on Context Information and Predicate Classification (述部の分類と前後の文の情報を利用した新聞社説の主張抽出手法を提案した論文 2015/11 LTC2015)において,新聞社説での論調の分類を,1編目の論文の手法に加えて,述部を自動的に分類することにより論調分類の精度を向上させる手法を提案した.どちらの論文もCRF(Conditional Random Field)を利用することで高い分類精度が得られた. また語感辞書の構築に関しても「日本語 語感の辞典 中村明著 岩波書店」の見出し語を下敷きに,毎日新聞(1991年から2012年)の社説とコラムから語感に関する単語を抜き出す実験を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画は「1.語感辞書の構築」,「2.論調タイプの体系化と教師付き学習を用いた論調タイプへの分類」,「3.論調タイプ同定に関する定量的な評価と成果の公開」であった.課題2,3に関しては平成27年度中に研究計画通り研究を進めることができた.課題1に関しては大規模データを用いて辞書を拡張するため,平成28年度も継続して行うことになった.一部研究成果が論文で発表できていない部分があるが,全体として順調に研究を進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究計画に含まれる「語感辞書の構築」の構築については引き続き実施する. また,平成28年度の計画である,「書き手の意見抽出とつながりを考慮した要約生成」,「要約に関する定量的な評価と成果の公開」を実施し,成果を研究発表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度までに辞書の構築手法を確立したが,多くの新聞記事を使った「大規模語感辞書の構築」には深層学習を行う必要があり,より高性能な計算機が必要であるとわかったため,計算機の購入を28年度に行うこととなった.
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次年度使用額の使用計画 |
深層学習を利用するため高性能なGPUとCPUを搭載した計算機を2台購入する.語感辞書作成のためのデータとして新聞記事を購入する. 成果発表のため国際会議で研究発表を行う.
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備考 |
研究成果を含む論文リスト:http://www.ircl.yamanashi.ac.jp/~ysuzuki/lab/publications.html
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