研究課題/領域番号 |
26330254
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
呉本 尭 山口大学, 創成科学研究科, 助教 (40294657)
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研究分担者 |
大林 正直 山口大学, 創成科学研究科, 教授 (60213849) [辞退]
間普 真吾 山口大学, 創成科学研究科, 助教 (70434321)
小林 邦和 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (40263793)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳波識別 / 深層学習 / 自己組織化マップ / 時系列予測 / 音声命令認識 |
研究実績の概要 |
本研究では、研究者や特定のユーザでなく、子供や一般人も容易にロボットに命令したり、対話したり、時には教えたりする場面を実現するため、マルチモーダルインタフェイスを備えた知能発達型知的システムを新たに提案・開発する。提案システムでは、音声・画像・脳波・タッチセンサー・空間距離(超音波等)センサー・匂いセンサーなど複数の異種のデータを収集し、ニューラルネットワークなどの識別器によってロボットの外部・内部環境を認知し、自律的な学習によって知的行動を出力することを実現しようと考える。 本年度において、主に以下の研究成果が得られた。1.音声命令識別するため、非対称近傍関数を持つ自己組織化マップのパラメータ最適化手法を開発した;2.時系列データを近似・予測するため、深層学習と線形モデルを併用した予測システムを開発した;3.連続入出力空間を扱うニューロファジィ強化学習システムを開発し、自律移動ロボットの行動学習に応用した;4.ROC分析を用いた脳波識別手法を提案し、ベンチマークデータを用いてメンタルタスクの識別率の向上が確認できた;5.複数の制限付きボルツマンマシンを持つ深層信念ネットに強化学習を導入し、従来の誤差逆伝搬法より学習性能の向上を実現した;6.マッチングネットワークを用いたインスタンスに基づく強化学習システムを提案し、知的制御システムに知能発達機能を与えた;7.自己構造化機能を持つ改良型小脳パーセプトロンモデルを用いてマルチエージェントのフォーメーション制御に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
提案する知的システムに含まれる複数の脳型高次機能モジュール:1)音声・画像・脳波による命令認識機能;2)自律行動学習機能;3)予測機能;4)記憶と連想機能;5)進化的学習機能;6)環境との相互作用・経験による知的能力発達機能などをほぼすべて開発終了した。これらの成果は、学術論文57篇(ジャーナル16篇、国際会議41篇)、口頭発表41件などで公開(H26~28)され、当初の研究計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで開発した複数の脳型高次機能モジュール(音声・画像・脳波命令識別機能モジュール、自律行動学習モジュール、時系列予測モジュール、記憶と連想機能モジュール、進化的学習機能モジュール、自己発達型知能モジュールなど)を統合し、パートナーロボットへの応用を図る。 具体的には掃除ロボット、ガイドロボットなどへの応用を想定する上、ユーザの音声・ジェスチャー・脳波信号を識別できるプロトタイプマルチモーダルインターフェースを備えた知能発達型知的システムのプロトタイプモデルを開発・実装し、その有効性を確認する。また、実機実験を通してシステムの問題点を明らかにし、改善を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の機器(ロボット)の入荷時期が遅れるため、物品費の支出が減少した。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に購入できなかった機器(ロボット)を購入する予定である。
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