研究課題/領域番号 |
26330262
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
尾崎 知伸 日本大学, 文理学部, 准教授 (40365458)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | データマイニング / パタンマイニング / ネットワーク分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、ソーシャルメディアに代表されるテキストストリームやセンサーネットワーク等から得られる多次元時系列データを対象に、高度な知識獲得を実現するための基礎技術として、多様な関連性を利用した系列データの動的異種多次元ネットワーク化技術を開発することを目的としている。この目的達成のため、本年度は、1. ソーシャルメディアデータのネットワーク化技術の開発および2. 動作データからの知識獲得技術の開発を行った。 1.に関しては、代表的なソーシャルメディアの一つであるTwitterと商品購買行動データを対象に、投稿内容と消費者行動(商品の売れ行き)の相互関係をネットワーク化する手法を提案した。投稿に含まれる各単語の出現数の増減と、各商品の売上順位の変遷を対象に、両者の関係を移動エントロピーを用いて定量化し、影響力が高い対を連結することで2部グラフを構築する。さらに、対象期間をずらしながらネットワーク構築を繰り返すことで動的ネットワークを構築し、時間的な変化も考慮した分析の基礎を実現した。 2.に関しては、腕をあげた状態で胸の上の部分でフラフープを回すChest Hooping という技を対象に、Kinectを用いて獲得した3次元動作データからの知識獲得を行った。動的時間伸縮法による非類似度計算を通じ、技獲得までの動作の変遷をモデル化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の1つ目的である動的ネットワーク化に関しては、テキストストリームおよび数値時系列を対象とした基礎技術を提案している。また、研究の基盤となるデータを獲得するため、種々のソーシャルメディアを対象としたデータ獲得システムのプロトタイプを構築している。以上の理由により、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、多様な関連性を考慮し、ネットワークの多次元化技術を拡張する。 また、高度な局所パターンの発見技術として、複合構造パターン発見技術に関して本格的な研究を開始する。加えて、両者を相補的に利用するとともに、パターン間の強い関連性を示す公開パターンの発見技術の実現を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は必ずしも対外発表が十分ではなかったことにより、当初の予定と執行額が異なる結果となった
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画に大きな変更はなく、27年度に計算機サーバを購入するとともに積極的に対外発表を行うことを予定している。また研究を促進するため、大学院生による補助を予定している。
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