研究課題/領域番号 |
26330268
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
沖本 天太 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (10632432)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 分散制約最適化問題 / 多目的制約最適化問題 / 多目的分散制約最適化問題 / パレート最適解 / チーム編成問題 |
研究実績の概要 |
本年度は申請書に提案した基礎研究1,すなわち,多目的分散制約最適化アルゴリズムの開発を主に行った.多目的分散制約最適化問題では,最悪時におけるパレート最適解(トレードオフな解)の個数が変数の数に対して指数のオーダになるため,近似アルゴリズム及び,パレートフロントの部分集合を求解する新しいアプローチが重要となる.まず近似アルゴリズムに関しては,局所探索に基づくDistributed Iterated Pareto Local Serach Algorithmを開発し,既存の state-of-the-artな近似アルゴリズムと比較し,本アルゴリズムでは,より高性能かつ,多くのパレート最適解を高速に求解可能であることを示した.本研究内容はエージェントの応用分野の国際会議である the 17th International Conference on Principles and Practice of Multi-Agent Systemsに論文が採録された.次に,パレートフロントの部分集合を求解するもう1つのアプローチでは,すべてのパレート最適解を求解する代わりに,その部分集合を求めるため,どのような部分集合を求解するかが重要となる.本年度は,Lpノルムに基づくアルゴリズムや平等性を考慮したアルゴリズムを開発した.また,得られた多目的最適化技術をマルチエージェントシステムの基礎理論であるチーム編成問題へと応用した研究も行った.これらの研究成果はエージェント分野の最難関国際会議 the 13th/14th International Conference on Autonomous Agents and Multiagent Systemsや,人工知能分野のツールに関する国際会議 the IEEE 26th International Conference on Tools with Artificial Intelligence に論文が採録された.さらに,基礎研究2として提案した動的な多目的分散制約最適化問題に関する研究も行い,人工知能分野の国際会議 The 7th/8th International Conference on Agents and Artificial Intelligenceに論文が採録された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
*平成26年度の課題である基礎研究1に関しては,以前から準備をしていたためスムーズに進めることができた. *共同研究者らと頻繁に打ち合わせ・議論を行う機会を沢山もてたことが成果につながった. *平成27年度の課題である基礎研究2に関する研究にも取り組むことができた. *応用問題に関する研究も同時進行で取り組むことができた.
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究1及び2に関する充分な研究成果がでたので,今後は応用問題を重点的に進める.具体的には,レスキューチーム編成問題とスケジューリング問題(ナーススケジューリング問題と時間割作成問題)に取り組む予定である.レスキューチーム編成問題に関しては,パリ市や神戸市におけるレスキューロボット・シミュレーションの研究を行う予定である.スケジューリング問題に関しては,(i)看護師の急な欠勤等を考慮したダイナミック・ナースリスケジューリング問題及び,(ii)すべてのハード・ソフト制約及び目的関数を同時に考慮した多目的時間割作成問題の研究を行う予定である.また,今まで得られた研究成果をまとめ,ジャーナル論文に投稿する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
3月中旬に山梨大学で開催予定であった合同研究会が急遽中止となったため, 出張費1回分の経費が余った.
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次年度使用額の使用計画 |
設備備品として計算機を1台(応用問題専用のワークステーションとして), 残りは,国内・国際会議への参加費及び旅費,ジャーナル論文の印刷費として使用する.
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