研究課題/領域番号 |
26330274
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
堀井 宏祐 山梨大学, 総合研究部, 助教 (00447715)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 機械学習 / 進化的多目的最適化 / 自己組織化マップ |
研究実績の概要 |
本研究では自動車乗員保護システム設計において評価関数として用いる乗員傷害基準値について,少数の実計算サンプルから機械学習を用いて近似モデルを構築し,実計算を代替することで,進化的多目的最適化に要する計算コストの削減を実現する.平成27年度は前年度に精度向上を実現した近似モデルを利用して,「進化的多目的最適化と自己組織化マップによる多次元情報可視化の融合」に取り組んだ.下記の2項目について検討した. 1.近似モデルを用いた進化的多目的最適化:乗員保護システム設計において,構築した高精度な近似モデルで進化的多目的最適化の評価計算を代替し,高速に最適化計算が実行できることを確認した. 2.自己組織化マップによる多次元情報可視化:多目的最適化で得られたパレート解に対して自己組織化マップを用いて多次元情報可視化を行い,設計変数と目的関数間の相互作用を適切に提示できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度の研究実施計画では大域的探索能力の向上を図るために,相関性の強い設計変数や目的関数を統合し,次元削減を行い探索空間を縮小することを目指したが,課題が残されており,本年度に検討を継続することとなった.また,投稿論文についても修正を加える必要があり,次年度に継続することとなったため,研究実施計画の進捗はやや遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き,知能情報処理技術の相互の特長を融合し,設計手法の体系化を図る.平成28年度は「自己組織化マップと高精度近似計算モデルの融合による探索空間全体の構造理解」について取り組む.乗員保護システム設計問題は,多くの設計変数と目的関数によって構成され,探索空間は広大である.そのため,探索空間全体の構造を理解するためには膨大な数の設計案を用いて,自己組織化マップを作成する必要がある.実計算に代わり,高精度近似計算モデルを利用することでサンプル数を確保し,探索空間全体の構造理解を実現する. さらに,これまでに得られた研究成果を基に相互の特長を融合し,設計手法の体系化を図り,得られた成果を取りまとめ,成果の発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度中に国際会議での成果発表を予定していたが,発表を取り止めたため残額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度中に対外発表を行う経費に充当する予定である.
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