研究実績の概要 |
ネットワークの階層構造を利用することで遺伝子ネットワーク同定精度の改善を行うために必要となる,高速な遺伝子ネットワーク同定法の開発を行った.具体的にはS-systemモデルと呼ばれる微分方程式モデルを簡略化したreduced S-systemモデルを利用し,reduced S-systemモデルの性質を利用することで,N遺伝子からなるネットワークの同定問題をN個の2次元関数最適化問題として定式化する方法を提案した.これにより遺伝子ネットワークの同定に失敗する可能性を低く抑えながら,しかも高速に行うことが可能となった.数値実験により,30遺伝子からなるネットワークの解析を現実的な時間内に実行できることを示した.本研究の成果は,雑誌IPSJ Transactions on Bioinformatics, Vol.7, pp. 30-38, 2014において「An Effective Method for the Inference of Reduced S-system Models of Genetic Networks」というタイトルで発表した.また国際会議にて発表も行った(Proc. of 2014 International Conference on Information Systems and Computing Technology, pp, 45-50, 2014, 「A Fast Parameter Estimation Method for Inferring Reduced S-system Models of Genetic Networks」).さらに2015年3月20日に開催された情報処理学会第41回BIO研究発表会において「遺伝子ネットワークのreduced S-systemモデルの効率的同定法の提案」というタイトルで発表を行った.
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